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米シカゴで開催された「The Healthy & Natural Show 2016」ハイライト

米シカゴで2016年5月5〜7日に開催された「The Healthy & Natural Show 2016」を視察した市場調査会社ユーロモニターの研究チームは、最近の米国食品業界のトレンドを公式ブログで5月20日、紹介した。4つのトレンドとして、ココナッツウォーターに代わるバナナウォーターやサボテンウォーターの出現、植物ベースのタンパク質への関心、植物性ミルク(ノンデイリーミルク)の有望性、プロバイオティクスの将来性を分析している。トレンドのハイライトは以下の通り。

バナナウォーターやサボテンウォーターの出現
ココナッツウォーターの人気が高騰する中、アメリカの飲料メーカーは次ぎなる“植物水”の開発を加速している。その一例として、バナナウォーターやサボテンウォーターの新製品が見本市で紹介された。Steuben Consumer Foods社が発売を開始したバナナウォーターは、バナナジュース濃縮物と水を混合して製造。カリウム含有が高く、一本(355ml)あたり70カロリーと低カロリーで市場開拓を狙う。 Steaz社からは、新しくウチワサボテンの果実から製造するサボテンウォーターの発売が開始された。糖分はココナッツウォーターの半分で抗炎症効果があるという。さらに 抗酸化物質のレベルを上げるために有機緑茶をサボテンウォーターに加える商品も開発。

植物ベースのタンパク質への関心
植物ベースのタンパク質への関心の高まりは、スポーツ栄養製品に反映されている。エンドウ豆や大麻からのタンパク質製品は市場をほぼ確立している中、いくつかの栄養製品ブランドはカボチャの種、キノア、アマランスの種子などに基づくタンパク質の開発に着手。ALOHA社からはエンドウ豆、カボチャの種、大麻の種から製造されたタンパク質栄養補助食品、キャンベルスープ傘下のBolthouse Farms社からはアーモンドミルク、大豆ミルク、エンドウ豆などを原料にする有機タンパク質ドリンクが市場投入されている。

植物性ミルクの有望性
アメリカの消費者の脱・乳製品の傾向はこれまで以上に強くなっており、代替ミルクの選択肢がますます豊富になってきている。過去数年間で、アーモンドミルクは、米国で最も売れている“牛乳の代替”として豆乳に追いついた。ただ、 アーモンドミルクの市場支配力の将来性に対する懸念もあり、アメリカの健康食品会社はアーモンドミルクを凌ぐ新たな製品開発へ研究費を投資しているという。エンドウ豆、レンズ豆、タピオカ、ジャガイモ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、カシューナッツなどと原材料の層が類を見ないほど拡大している。

プロバイオティクスの可能性
アメリカ市場では新しい部門として近年、注視されているのがプロバイオティクス。国際プロバイオティクス協会のマイク・ブッシュ会長の講演では、チンギス・ハーンが軍隊に供給した発酵食品から、1930年代に日本で訪問販売を開始したヤクルトなどの沿革などが紹介された。「世界有数のプロバイオティクスドリンク」としての地位を獲得したヤクルトの米国での売上は2014年から2015年に16%伸びたという。Carlson Laboratories社は、女性用プロバイオティクスサプリメントを新しく製品化したり、MELT Organic社は、新しいプロバイオティクスを含んだ乳製品フリー・スプレッドを開発するなどと米国企業も動き出した。

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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