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京セラが毛髪再生に参入、自社の圧電技術を再生医療に応用

日本全国に1800万人以上いる脱毛症患者のはげ解消を狙って、京セラが毛髪再生医療分野に新規参入した。

理化学研究所などと共同で、患者の正常な頭皮を検体として取り出し、細胞毛髪を作る器官(毛包)を再生することで、脱毛症の治療に役立てようというもの。2020年メドに実用化を目指す。

京セラが毛髪再生に乗り出すのは、再生医療の成長が見込めること。現在、再生医療の市場規模は、経産省の調査で100億円程度だが、2030年には、1兆30000億円市場に拡大する見込み。同時に、同社が保有するセラミックに電圧を加えて伸縮させる圧電技術が、再生医療に応用できると判断したことによる。

圧電技術は、プリンターのインク吐出しに使われている技術。決められた量を決められた場所に置いていくという技術。同社は、微細加工技術で、「種」の製造工程を自動化する機械の開発で成果を出して行く考え。

一方、理研の研究グループが開発した器官再生の技術を使う。自らの後頭部から採取した2種類の細胞で、髪の毛の種になる細胞の塊をつくる。これを医療機関などで培養して脱毛部分に外科手術で戻せば、「畑」にあたる頭皮の下で種が根づいて頭髪が生える。理研は、2012年にマウスで体毛の再生に成功している。

無題今回の共同研究は、圧電技術と器官再生技術をヒトに応用し、ヒトの正常な頭皮から毛包を採取して再生技術で大量に培養する。これを脱毛した頭皮に移植することで、髪の毛の本数を増やす。

まずは2年間の本共同研究において、実用化への道筋をつけ受託製造のビジネスモデルの具体化を進めて行く方針。

現在、脱毛症は、有効な治療法が確立されていない。医療技術を使った治療法の開発に期待が寄せられており、資生堂もカナダのバイオ会社「リプロセル社」と技術提携。今年6月には、東京医科大、東邦大との研究チームなどと患者自身から採取した毛髪の細胞を培養し、脱毛部位に移植する臨床研究を開始。2018年中の事業開始を目指している。

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