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肌の弾力維持にタンパク質「DDR2」が重要な役割

株式会社ファンケル(神奈川県横浜市)は5日、肌の弾力性や柔軟性に重要な役割を持つエラスチン線維の形成にコラーゲン受容体タンパク質「DDR2」が関与することを発見したと発表した。これにより、「DDR2」が肌の老化制御に働く可能性が期待できるとしている。

紫外線を受けると、真皮中のコラーゲン線維は損傷するが、線維芽細胞に存在する「DDR2」が損傷部位を認識し、新しいコラーゲンの合成を開始させる「シグナル分子」として働くことがわかっている。今回の研究では、紫外線を照射して損傷させたコラーゲン線維を線維芽細胞に添加し、「DDR2」の働きによるⅠ型コラーゲン、コラーゲンを分解する酵素MMP1、エラスチン線維の形成に関わるタンパク質EMILIN2について調べた。その結果、損傷したコラーゲン線維の添加によって、Ⅰ型コラーゲン、MMP1、EMILIN2の遺伝子発現量が増加。さらに「DDR2」の働きを止める阻害剤を添加すると、遺伝子発現量はいずれも減少することがわかった。

また、「DDR2」は、線維芽細胞の老化により減少する。そこで、老化による真皮弾力性の低下との関連性を調べた。「DDR2」を減少させた線維芽細胞を作成し、EMILIN2とエラスチンの生成量を測定。その結果、「DDR2」を減少させていないコントロール細胞と比較すると、「DDR2」を減少させた細胞は、タンパク質量が約半分に低下していた。

老化によって「DDR2」が減少すると、エラスチン線維の形成に関連するEMILIN2とエラスチンの生成量も減少し、その結果、エラスチン線維の形成が制御されて真皮の弾力低下につながる可能性があることを発見した。

同社では、2014年から細胞とコラーゲンをつなぎとめる機能を持つコラーゲン受容体タンパク質「DDR2」に着目してきた。「DDR2」は、損傷したコラーゲンの再構築に関与することは知られていたが、その機能の詳細は解明されていなかった。

今回の研究結果は、2017年9月27日~30日に開催された第47回欧州研究皮膚科学会において口頭発表を行っている。

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