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⑮花王・カネボウの会社研究  ~2020年度の化粧品事業3千億円目標~(下)

花王は現在、化粧品(カウンセリングとセルフ化粧品)やスキンケア・ヘアケア製品等をビューティケア事業部門で担当している。
国内のビューティケア事業に携わっている主なグループ会社(連結決算対象)は、花王をはじめ花王グループカスタマーマーケティング、カネボウ化粧品、エキップなど合計19社にのぼる。
前期(2017年12月期決算・連結)におけるビューティケア事業(化粧品、スキンケア・ヘアケア等)の業績は、売上高が前期比(2016年12月期)2・6%減の5860億円と減収になった。
ビューティケア事業における2017年12月期の化粧品売り上げは、2016年12月期比4・8%減の2427億円となっている。

化粧品の売り上げが減少したのは、中国を中心にアジア市場での需要が好調だった半面、国内がインパウンドによる売り上げが減少したことや中価格帯のスキンケアが苦戦したことが大きい。また、スキンケア製品の売り上げは、2016年12月期比1.0%減の34330億円となった。ヘアケア製品は、国内のマス市場の縮小を受けて売り上げが前年を下回った。

今期(2018年12月期)における化粧品の売上高予想は、事業運営体制と販売・マーケティングの組織改編を機会に化粧品の大改革を加速。商品の高付加価値化に取り組む一方、重点ブランドの明確化と1つのブランドのポートフォリオを高めたことなどから売上高2738億円を見込む。表に花王業績とビューティケア事業の売り上げを示す。

こうした中、花王は、2017年度を初年度に2020年度までの4ヵ年経営計画「k20」を策定し取り組みを始めた。
k20では、2020年度に売上高1兆4200億円、営業利益2600億円、営業利益率15%を目標に設定。この内、化粧品については、成長の柱に据え、これまで行ってきたブランド強化や構造改革が順調に進捗するとして「K20」においては、化粧品事業売上高3000億円、営業利益率10%以上を目標としている。
k20は、2030年までに達成したい目標値(売上高2兆5千億円、営業利益率17%等)を実現するための通過点と位置づけている。

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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