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2015-17年の化粧品によるアレルギー症例報告

2015年10月から2017年10月にオランダのCESES(消費者における皮膚曝露の影響とサーベイランス)に報告された市販の化粧品関連アレルギー90件の概要が3月29日、オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)から発表された。オランダでは、化粧品によるかゆみや紅斑などの望ましくないアレルギー反応の把握のため、アレルギー症例を登録するモニタリングシステムのCESESを2009年に開始している。

今回報告された望ましくないアレルギー反応は、主にスキンケア・フェイスケアおよびヘアケア製品を使用した後に顔および手に起こっており、ほとんどの患者は接触性アレルギーと診断されていた。これまでの例と同様に、イソチアゾリノン(防腐剤)および香料が、アレルギー反応の大部分を引き起こす成分だった。この報告により皮膚科医が、パッチテストと必要に応じて関連する化粧品の特定の成分に関する試験を行った。

イソチアゾリノンは、接触性皮膚炎の重要な原因として広く認識されており、2015年には有力なアレルゲンとして、メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン(MCI / MI)の使用は洗い流さない製品(leave-on)で禁止、洗い流す製品(rinse-off)では、0.0015%までの濃度で使用できる。同様の制限は2018年にメチルイソチアゾリノン(MI)に適用された。今回の報告された症例では、過去2年間でMCI / MIに起因する症例は1例のみだった。 2018年の報告では、MIが原因となる症例報告は低下することが予想されている。MIに代わる有力な防腐剤候補はまだなく、開発は続くものと考えられる。ネイル製品中の(メタ)アクリレートに対するアレルギー反応は3例で、前年度比で増加した。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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