第2期対談第1回 検索の時代に勝つ! 古くて新しい「クチコミ」の重要性って?

2019.04.1

業界展望

編集部

化粧品や美容サロン、本のレビューや宿泊先、グルメサイトまで、「クチコミ」があふれる現代。顧客がスマホの検索で商品やサービスを選ぶ時代に、検索で引っかかるコンテンツが必要だと美容経済新聞論説委員 野嶋朗氏は指摘する。検索の時代に生き残る方法について、美容経済新聞編集長 花上哲太郎がインタビューを行った。

リクルートライフスタイルが
コスメのクチコミサイトに殴り込み!?

花上 今回からバナーも一新してリニューアル連載となります。今後ともよろしくお願いいたします。野嶋さんは今、注目していることやモノはありますか?

野嶋 「ホットペッパービューティー」を展開する株式会社リクルートライフスタイルが、コスメ専用のユーザー投稿型アプリ「ホットペッパービューティーコスメ」をローンチしました。

花上 どのようなアプリなのですか?

野嶋 使ったコスメを画像やテキストで投稿します、他のユーザーからの投稿を確認すれば使用感などの気になる情報を購入前に得ることができます。自分の年齢や肌質に合ったユーザーを探して自分に合うコスメを知ることができるというアプリです。

花上 コスメのクチコミサイトというと「アットコスメ」が有名ですが、どのような違いがあるのでしょうか。

野嶋 コスメへの投稿という仕組みは同じ。アットコスメ「LIPS」など既存メディアとどのように差別化を図っていくのか、注目しています。

花上 ホットペッパービューティーはサロンを検索できるだけでなく、サロンにクチコミを投稿できるのが新しいモデルでした。

野嶋 ユーザー投稿型のメディアを「CGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)」と呼びます。旧来型のウェブは消費者が情報を受け取るだけでしたが、CGMでは消費者が発信した情報がメディアに掲載されます。個人(消費者)の投稿が価値ある読み物となる現象はもう当たり前になっていますが、これが数年前に急速に普及したのは、やはり相性の良いスマートフォンの普及が大きいです。

花上 アットコスメが世の中に広まったのは20年ほど前ですから、かなり世の中の最先端を行っていたわけですね。

野嶋 アットコスメにはその頃からのファン層というか、一部のコアなユーザーがいます。創設者の山田メユミさんは、こうしたコアなユーザーをとても大切にしていらっしゃいます。コアなユーザーさんもそれを理解していて、山田さんを尊敬している。美容の世界には、こうしたリーダーシップが強い女性が必要なモデルなのかもしれないですね。

スマホの検索で「引っかかる」
コンテンツはあるか?

花上 企業やサービスの“ファンを作る”ことの大切さは、この連載でもこれまでなんども強調されてきました。

野嶋 顧客をファン化することで、企業にも顧客にも利益になりますよね。このように、顧客との関係をマネジメントすることを顧客関係管理(CRM/カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)と呼びます。CRMは商売の黎明時代からありましたが、ITによって膨大な顧客情報の蓄積・管理が可能になったことから、近年のCRMにはITが必要不可欠です。

花上 スマートフォンの普及でさらに注目されるようになりました。

野嶋 市場が成熟していますから、消費者はスマートフォンを使ってインターネットで商品を比較・検討できます。クチコミというのは、消費者に購入動機を持たせるためのツールなわけです。商品を購入した顧客を囲い込み、将来も引き続き自社の商品を購入してもらうように、CRMを使って戦略を立てる必要があります。

花上 なるほど、検索がとても重要な役割を果たすのですね。

野嶋 現在はメディアの時代、つまり検索の時代です。検索に引っかかるコンテンツを持っているところは本当に強いですね。自社の強みやウリという“武器”をはっきりさせてアピールできているところは、検索にも引っかかりますし、価格競争にも陥りません。

花上 美容業界では、エステティックサロン・美容サロンにはまだまだ課題が多いかもしれませんね。今回もありがとうございました。

 

▼この企画について
美容経済新聞では、サロン経営に携わる方に役立つ情報を常にお届けしています。本連載では美容経済新聞社論説委員である野嶋朗氏を迎え、旬なトピックを取り上げつつ、ビジネスに役立つヒントをお届けします。

連載記事
執筆者:編集部


野嶋 朗 (のじま あきら)
株式会社ノートラック代表取締役
ハリウッド大学院大学教授(ビューティサロンビジネス論 クリエイティブビジネス論)

美容と健康分野の組織活性、人材強化、業態開発、販売強化を支援する株式会社ノートラック代表。
1988年株式会社リクルート入社。進学事業カンパニーオフィサー、北海道支社長、街の生活情報事業ユニット長、ビューティ総研センター長を経て2014年12月末日に円満退職。

ビューティビジネス学会理事、日本化粧品検定協会理事、ビューティコーディネーター協会顧問、日本リラクゼーション業協会顧問、米国CCE認定GCDFキャリアカウンセラー、華道草月流師範。

著書
「美容師が知っておきたい 50の数字」㈱女性モード
「うちの新人を最速で一人前にする技術 美容業界の人材育成に学ぶ」㈱講談社
「一生離れないお客さまをつくる方法」㈱女性モード
「データで見るエステティックの今とこれから」㈱フレグランスジャーナル
「美容師が知っておきたい 54の真実」㈱女性モード

↑