エスティローダーが睡眠不足と肌の加齢に関連性を発見
2013.07.29
編集部
よく眠れなかったり、睡眠不足だったりの翌朝、肌の調子が悪いと感じる人は多いが、今回初めて、睡眠と肌の関係が科学的に明らかになった。
エスティローダーが米国オハイオ州にあるUniversity Hospitals Case Medical Center(UH)へ委託して行われた臨床試験で、睡眠の質が皮膚の機能と老化に影響を与えることが実証された。睡眠不足は現在、世界中の流行ともいえる状況になっている。慢性的な睡眠不足は、肥満、糖尿病、がん、免疫不全などの健康上の問題との関連が指摘されているが、皮膚の機能への影響はこれまで研究されていなかったという。
今回の臨床試験は、30-49歳の女性60人を対象に、睡眠の質をピッツバーグ睡眠質問票で評価。睡眠の質と外観的な肌の評価、皮膚バリア機能の低下による紫外線曝露の状況、いくつかの皮膚への非侵襲的な負荷試験を実施し、皮膚への影響を調査した。
その結果、UHの研究者らは睡眠の質による統計的有意な差を発見した。質の悪い睡眠は、皮膚の弾力低下を示すしわ、不均一な色素沈着やたるみなど、本質的な皮膚の老化が増加している兆候を示した。より高いスコアが老化を示すSCINEXAスコア(内因的および外因的皮膚老化を数値化したもの)では、質の良い睡眠の2.2に対し、悪い睡眠では4.4だった。
また、皮膚の炎症、日焼け、赤みなどの肌ストレスからの回復は良質の睡眠により、より効果が見られた。経表皮水分損失(TEWL)試験で、良い睡眠は悪い睡眠に比べ、ストレスからの回復が30%高いことを示した。さらに、質の悪い睡眠は、より高いボディマス指数(BMI)と関連し、肥満度が高かった。
エスティローダーの基礎科学リサーチ(R&D)のシニア・バイス・プレジデントDaniel Yarosh氏は、この研究は初めて、質の悪い睡眠が皮膚の老化の兆候を加速し、夜間に自己修復する肌の能力を弱めることを示したと話している。