ファンケル、高精度のヒトiPS由来感覚神経細胞の作成に成功

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2018.10.5

編集部

幹細胞や再生医療のバイオベンチャーである株式会社リプロセル(神奈川県横浜市)と共同で、ヒトiPS由来感覚神経細胞株の開発を進めてきた株式会社ファンケル(同)は5日、高精度のヒトiPS由来感覚神経細胞株の作成に成功したと発表した。

今回、リプロセルと共同で開発したヒトiPS由来感覚神経細胞は、約70%が感覚神経細胞であることが確認された。分化誘導効率が高いこと、また凍結保存が可能であることから各種実験に用いやすい細胞。同細胞を今後研究に使用することで、人工的に培養することができない感覚神経の研究を容易に進めることができると期待される。

順天堂大学大学院 医学研究科・環境医学研究所の髙森建二所長のグループは、アトピー性皮膚炎などのバリア機能が低下した皮膚は、真皮内に存在している感覚神経線維が表皮内に侵入して、角層のすぐ下まで伸びて全体に広がることを発見し、かゆみの知覚メカニズムを解明してきた。

しかし、ヒトの感覚神経細胞は身体から取り出して培養することができないため、感覚神経細胞の機能評価や他の皮膚を構成する細胞との相互作用の解明などについて、研究課題が多く残されていた。

今後は、2018年度からファンケルが設置した順天堂大学大学院 医学研究科・環境医学研究所「抗加齢皮膚医学研究講座」において、今回の細胞を研究に応用し、加齢に伴う皮膚老化やかゆみのメカニズムを解明して、その対策方法と早期の製品開発を目指す研究を進めていくとしている。

参考リンク
株式会社ファンケル

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