ファストフードの摂取が多いとうつ病が増える
2018.10.23
国際部
豪州James Cook Universityの研究者らが、ファストフードの摂取量がうつ病発症と関連することを発見したという研究成果が10月10日、同大学からプレスリリースされた。研究の詳細は「Nutritional Neuroscience」に掲載された。
Zoltan SarnyaiとRobyn McDermottの両教授が率いる研究チームは、オーストラリアのトレス海峡諸島の住民調査を実施。ファストフード店のあるトーレス・ストライツ島と、店の内を孤立した島の住民の比較により、うつ病と食事の関係を調査した。論文の筆頭著者であるMaximus Berger博士は、この研究チームが両島約100人の住民にインタビューし、「食事について質問し、うつ病レベルをスクリーニングし、血液サンプルを採取した。ファストフード店のない島の住民は、他の島の人々と比較して、シーフードの消費量が大幅に高く、テイクアウト食品の消費量が低かった」と述べている。研究者らは、中等~重度の抑うつ症状を呈した19人を特定した。ファストフード店がある島から16人、他の島からはわずか3人だった。
Berger博士は、現代の西洋食は、うつ病関連の脂肪酸(n-6PUFA)を大量に含み、うつ病抵抗性に関連する脂肪酸(n-3LCPUFA)が相対的に欠如している。「伝統的な食生活では、n-6とn-3の比率は1:1であり、現在の先進国では20:1」であり、この事実を覚えておくことは重要であると述べている。