解説・機能性食品表示制度 ファンケル2商品販売へ、東洋新薬も受理(下)

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2015.06.23

編集部

食品の機能性表示制度スタート(2015年4月)に合わせて消費者庁に届出申請を行ったのは、108件。この内、消費者庁から届出を受理されたのは、ファンケルなど6社8製品にのぼる。受理されて20日後の6月半ばから初の機能性表示食品として市場で販売を始めている。

ファンケル「えんきん」 ファンケル「健脂サポート」ファンケルは、消費者庁から機能性表示食品として「えんきん」(写真)と「健脂サポート」(写真)の2製品が受理された。

「えんきん」は、中高年の「老眼」対策に特化した商品。機能性関与成分として「ルテイン」「アスタキサンチン」「シアニジン‐3‐グルコシド」「DHA」などを配合。

「健脂サポート」は、生活習慣病や肥満の原因となる中性脂肪が増えないように維持する機能性食品。機能性関与成分として中性脂肪を減らす作用のあるモノグルコシルへスペリジンを配合している。

同社は、2製品について「臨床試験を行い、機能性の科学的根拠を実証している。子会社ファンケルヘルスサイエンスを通じて6月19日から通信販売、直営店舗、コンビニ、ドラッグストア、量販店などのチャネルで販売を始めた。今後とも顧客に対して機能性や有用性をわかりやすく表示した機能性表示食品を増やしていく方針」としている。

ファンケルなどの受理に続いて健康食品、化粧品の総合受託(OEM・ODM)メーカー東洋新薬は、6月半ばに葛の花由来イソフラボンと米由来ブルコシルセラミドの2商品の表示販売が受理された。市場での販売は、7月中旬になる見込み。

消費者庁から食品の機能性表示の届出を受理された累計企業は、6月16日現在、第1次受理企業を含めて19社、36製品にのぼる。受理された企業は、消費者に対して商品の訴求力、浸透力を図る広報宣伝活動や流通での販売形態の再構築に打って出るなど収益の向上に躍起になって取り組んでいる。消費者にサプリメント、飲料などの商品の機能性、安全性を表示して店頭販売することで、消費の回帰・拡大を図ろうというもの。

これまで、サプリメントなどに見られるように、どのような機能があり、どんな作用、効果があるのか、科学的根拠を示すことなく市場で、乱売されてきた。

今度の新制度は、商品の機能性、安全性についての責任を企業自らが負うことを課したものだが「商品に機能性や安全性が表示されるため、消費者にとって商品の理解度や優劣化がよりわかるようになる」と消費者庁は強調する。

一部の企業は「国の許可性とお墨付きによるトクホ制度の方が消費者からの信頼性が高い」という指摘がある。しかし、機能性、安全性を表示した食品が流通することでこれまで“きれいになる〟”健康的〟といった美辞麗句を並べて売りつけてきたサプリメントなどに対する“いい加減な商品〟のイメージは今後、徐々に払拭されて行くだろう。

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