サティス製薬、和栗から「植物ヒト型セラミド」の開発に成功

最新商品

2016.12.20

編集部

株式会社サティス製薬(埼玉県吉川市)は、茨城県岩間地区で収穫される和栗の加工廃棄物である栗皮から、量産化可能な植物ヒト型セラミドを世界で初めて開発した。この新規化粧品原料「くりセラミド」は、皮膚のバリア機能を改善する効果が期待できる。

d2821-30-800787-0

栗の実(種子)は水分蒸散が多いため乾燥しやすく、それを栗皮が保護していることが知られている(図1)。

このことから栗皮には、栗の実の乾燥を防ぐための秘められた機構があるのではないかと考え、研究を行った結果、栗皮には植物由来では初となるヒト型のセラミドが含まれることを発見し、これを「くりセラミド」と名付けた。

栗皮からエキスを抽出し、薄層クロマトグラフィで分析したところ、セラミドが高濃度で検出された。さらに、このセラミドを液体クロマトグラフ質量分析計で構造解析したところ、ヒト型セラミドを多く含有することが証明された。

d2821-30-622200-1

ヒト型セラミドとは、肌の表皮の細胞間脂質を構成しているセラミドと同等の構造を有しているセラミドのことで、今回和栗から開発したヒト型セラミドは、高い皮膚バリア機能を発揮する「超長鎖セラミド」が多いのが合成セラミドには無い最大の特長だ(図2)。

既に多くの食品や化粧品に配合されている植物性セラミドは、コメ、トウモロコシ、あるいはダイズなどの様々な植物から製造されているが、これらは全て、グルコシルセラミドと呼ばれるセラミドとグルコースが結合したスフィンゴ糖脂質の一種であり、人の肌に存在するセラミドとは構造が大きく異なる。

また、現在化粧品に配合されているヒト型セラミドの大部分が、化学合成原料であるため、植物から製造され、且つヒト型の構造をとる「植物ヒト型セラミド」は、世界初の開発となる。

同社では既に特許出願と商標出願を終えており、今後は、国内最大産地である茨城県の栗生産者などと連携して「くりセラミド」の更なる量産化を図り、自社の化粧品OEM事業のオリジナル原料として顧客へ提案していくほか、化粧品原料として国内への普及だけに留まらず、ジャパンバリューを打ち出し、海外展開も視野に入れている。

参考リンク
株式会社サティス製薬

#

↑