女性のハイヒール着用に関するメリット・デメリットの研究が8月1日、「BMC Public Health」オンラインに掲載された。女性のハイヒールは、女性の性同一性の重要な部分を形成している一方、女性らしさのためのハイヒール着用という明白または暗黙の強制の問題が指摘されている。ハイヒールが健康に有害であるという研究はこれまでもなされてきたが、疫学的および生物力学的の両方を同時に扱ったレビューはなかった。また、ハイヒールの公衆衛生上の課題を理解する上で不可欠な精神的利益の検討も不十分だった。

今回の研究では７つの主要な書誌データベースを2016年11月まで検索し、対象に20本の研究論文を選択した。最新の疫学的研究ではハイヒールと外反母趾、筋骨格痛およびハイヒール着用による怪我との関連を証明した。生体力学的レビューでは、疫学研究ではまだ証明されていないハイヒールと骨関節症との関連、またこれらのリスク増加との関連を示した。５つのオリジナル研究ではハイヒールと女性的魅力の増加または男性の行動への影響への証拠を示した。

研究者らは、ハイヒールが女性に精神的な利益をもたらすものの、健康には有害であるとした。ハイヒールの着用には女性の選択の自由が尊重され、明示的・暗示的な強制は問題であるとしている。