顔面の外科的瘢痕、術後すぐのボツリヌス注射で改善
2018.03.14
国際部
顔面の外科的瘢痕改善に対するボツリヌス毒素A型の効果を検討した臨床試験の結果が「Plastic and Reconstructive Surgery」3月号に掲載された。なお同論文はオンラインでも公開されている。
美容外科手術や再建術後の顔面瘢痕は、手術を受ける患者の大きな懸念事項であるが、その管理に関する試験報告は少ない。今回は、顔面瘢痕の早期に、しわの軽減や多汗症患者に広く使用されているボツリヌス毒素A型の効果を検討した。外科顔面手術を受けた患者16人を対象に二重盲検無作為化比較試験を実施し、うち14人が試験を完了した。手術直後に、外科的創傷閉鎖部の半分にボツリヌス毒素A型を無作為に注射。瘢痕は、Vancouver Scar Scaleと視覚的アナログスケールを用いて、6ヵ月間追跡、2人の外科医によって独立して評価された。瘢痕の幅も測定した。
その結果、視覚的アナログスケールスコアおよび瘢痕幅測定により、ボツリヌス毒素A型を注射した患者で外観の顕著な改善および瘢痕の幅の減少が明らかになった。Vancouver Scar Scaleの平均スコアは、ボツリヌス毒素A型注射群では4.68、対照群では5.24だった。この試験により、早期の術後ボツリヌス毒素A型注射が、瘢痕をより良好で幅狭く、よりスムースな外傷跡にさせることを実証した。