【連載】大手化粧品会社の研究㉞クオレの会社研究 ~美容室の経営、サービス等をコンサルし化粧品を拡販~(上)

2018.07.5

特集

編集部

クオレ株式会社(大阪府吹田市、未上場)は、1965年の創業以来、美容室ルートでの販売方式を採用し、化粧品の販売に加えて経営のアドバイスや技術教育をバックアップするなど強力な信頼関係を築いた。一方で、1980年代後半から全国のバラエティショップやドラッグストア等の一般流通ルート向け化粧品の開発・販売を開始。現在では、美容室と一般顧客の2つの流通ルートを主体に美容室専売化粧品、一般向け化粧品を販売している。

同社は、化粧品メーカーでありながら直接美容室へ卸すという全国直販体制を確立。美容室専売化粧品を通じて、美容室の経営を全面的にサポートするコンサル営業を基本に展開している。
日常的な美容室訪問は、在庫確認やPOPの刷新などが主で、細やかなケアが積み重なって新製品導入や美容室スタッフにエステやメイクアップの指導を行う臨店講習(勉強会)を開催するチャンスが生まれる。

同社は、メーカーとしては珍しくメーカーの営業が自ら商品導入の提案をする直販スタイルのため、営業担当者は商品知識だけではなく総合的なプレゼンテーション能力が必要となる。代理店を通さずに直接取引面談ができる分、経験豊かな美容室オーナーから刺激を受け、美容室側の困りごとや相談にスピーディーに対応できることが他社との大きな違いとなっている。
美容室へのコンサル内容は、自社の美容インストラクターと営業がプロジェクトチームを組み、サロンごとの社員教育や技術指導を提供するとともに「売り上げが上がらない」「利益をさらに伸ばしたい」など経営面の悩みをはじめ、「顧客満足度を上げたい」「リピート率を上げたい」などのサービス向上及び「スタッフのレベルアップ」「クレームの対処法」などの人材面での悩み等に対応している。
さらに、オリジナル商品の開発やメニューの企画を提案。独自のコンサルティングで美容室との強固な信頼関係を築いている。現在、取引している美容室は、全国で約2万6000店にのぼる。

一般向け化粧品販売は、既存のバラエティショップ、ドラッグストア等にアイメイク化粧品「K-パレット」シリーズの卸販売や流通管理等を実施。ルートセールスが基本だが、店舗での自社商品のシェアを上げるためにキャンペーンの企画やレイアウトを考案するなどの施策を講じている。表にクオレの会社概要を示す。

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