【連載】大手化粧品会社の研究㊼ヤマサキの会社研究 ~今期売上高約45億円計画、店頭と通販の相乗効果狙う~(中)

2018.09.4

特集

編集部

ヤマサキは、1998年にオイルタイプの洗い流さないトリートメント「ラサーナ 海藻へアエッセンス しっとり」を販売以来、高い補修力とベタつかない使用感が人気を呼びその効果は、口コミで、一挙に広まった。

2008年には、剤型の異なる朝用アウトバス商品2品を投入。洗い流さないトリートメント市場のメーカーブランドで、NO.1のシェアに躍り出た。2012年には、髪にハリ・コシを与える「ラサーナ 海藻 ボリュームアップ ヘア エッセンス」、2013年には、髪の摩擦に着目した「ラサーナ 海藻 ヘア エッセンス さらさら」を発売し、オイルタイプの市場領域を広くカバーすることを実現した。さらに、2017年6月には、広島県の特産品である瀬戸内レモンの精油を配合した「ラサーナ 海藻 ヘアエッセンス 瀬戸内レモンの香り」(写真)を発売。この商品は、化粧品として初めて広島市の瀬戸内ブランド商品に登録された。
2018年には、店頭での需要に応え、1本で8役をこなす朝用アウトバス商品「ラサーナ 海藻 モイスト ヘア ミスト」と「ラサーナ 海藻 スムース ヘア ミルク」を販売するなど多様化するニーズに合わせた商品開発を積極的に行ってきた。

こうしたオイルタイプの洗い流さないトリートメントの好調を映して財務内容も右肩上がりの状況。
第45期(2018年2月決算)の売上高は、41億5000万円と前年を3%上回った。前期(44期)までの売上高は、40億円台をキープしている状態だったが、自社の強みである「洗い流さないトリートメント」のカテゴリーで新商品を発売したことが奏功し、V字回復を果たした。
第45期におけるチャネル別売り上げは、通販が前期比95%と落ち込んだものの、店頭が前期比116%と大きく伸長し、通販をカバーした。また店頭での販売比率は、全社売上構成比の44%を占めるなど過去最高の比率となった。

今期(第46期・2019年2月期)は、売上高44億7000万円を目標としている。目標達成のために店頭と通販のシナジー効果を高める方針。
このように未公開企業でありながら財務状況を積極的に開示している点も注目される。
同社は、社員に会社の株を持たせて経営意識を高める社員持株会を発足(1987年5月)させているが、この社内制度も社員のやる気と事業の成長に大きな役割を演じている。

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