【連載】大手化粧品会社の研究㊽バルクオムの会社研究 ~通販に加えてヘアサロン、小売店等で販売~(上)
2018.09.10
編集部
メンズコスメ(男性化粧品)のベンチャー企業「株式会社バルクオム」(東京都渋谷区、未公開)の事業展開が活発だ。2013年に会社を設立して以降、現在までに液状の生石鹸をはじめリンゴ幹細胞エキス等を配合し抗酸化作用を持つ化粧水や乳液、ハンドクリーム、日焼け止めなどの男性用化粧品「バルクオム」(メンズスキンケアブランド=写真)をネット通販市場に投入し、20歳から30歳代の男性向け中心に販売してきた。
「バルクオム」商品は、刺激に弱い男性の肌を保護し、肌ストレスがあまりかからないように仕上げられているのが共通的な特徴。
ここへきて販売チャンネルをこれまでのネット通販からヘアサロンや小売店に販路を広げて、現在、全国600店舗のヘアサロンで取り扱われている。また、全国の「ロフト」や「東急ハンズ」「ファミマ!!」などの小売店でもバルクオム商品を直接購入できるなど、販路を拡大している。
更に2年前の2016年8月から、海外展開をスタートしている。第一歩として事前のマーケット調査及びテストマーケティングにて定めた韓国、中国(香港)、台湾、タイ、インドネシアなど5つの海外戦略地域に向けて海外向けオンラインストアをリリースし、バルクオム製品の販売を始めたもの。
バルクオム製品の販売は、洗顔料、化粧水、乳液、及びそれらのトライアルサイズをセットにした4つの製品を販売。これを皮切りに、販売状況を見ながら順次ラインナップを拡大していく計画。
同社は現在、グローバルブランドとして海外でのバルクオム製品の販売やプロモーションに協力してもらうパートナーを募集しており、グローバルブランドとしてさらに磨きをかけていく方針。
同社が男性化粧品市場に参入したのは、国内外におけるメンズ化粧品市場の将来性が大きいと判断したことに起因する。特に、男性が社会的な身だしなみとして基礎化粧品を使うケースが増えてきたこと。また、男性も体臭や肌、髪型等に気を遣うようになってきたことも要因として挙げられる。
職場内だけでなく取引先などの仕事相手であれば外見を気にする。見た目がビジネスに影響を与えると認知されたこともメンズコスメ市場を押し上げた。
こうした要因から国内のメンズコスメ市場は、5~6年前の1000億円市場から、2018年には1200億円市場に拡大するなど成長市場となっている。