【連載】大手化粧品会社の研究(90)ロフスの会社研究 ~マブティシリーズ、インパウンド需要好調~(上)

2019.04.23

特集

編集部

化粧品、美容商材等の開発・販売事業を行う株式会社ロフス(東京都渋谷区)は、2015年5月に起業した新興ベンチャー企業。起業当初は、ECサイトで美容品のバイヤーをしていたこともあり、そこで築いたネットワークを活かして卸業からスタートした。2期目の2016年から自社開発化粧品ブランド「マブティ」の国内販売を開始。

2016年から毎年ラインナップを増やし現在、天然由来成分、香り、弱酸性など3つをこだわりに開発したマプティシリーズとしてデリケートゾーン用クリーム「オーガニックフレグランスホワイトクリーム」や「オーガニックフレグランスバストクリーム」など4品目(写真)を開発し、バラエティショップやドラッグストアなどで販売している。

化粧品メーカーとしての開発の基本は、大手化粧品メーカーと同じ土俵に立って勝負はできないとして狙ったのは、ニッチなものづくり市場。たとえパイは小さくても、ニーズは間違いなくある「スモールマス」を意識してマーケティングを行った。
特に、同じ年代の女性が悩みながら「効果的な解決策が乏しいものはなにか」を突き詰めた結果、浮かんだのがデリケートゾーンに関する悩みだった。黒ずみやニオイに悩んでいる女性は多いため、それらを抑える「ホワイトクリーム」を最初に開発した。
現在のマプティシリーズの販売状況について同社は「中国からのインバウンド客が多く購入するため、売れ筋商品として各店舗の目につきやすい位置に陳列され購買意欲は高い。また、店頭から日本の消費者にも知名度が高まるなど相乗効果を生んでいる」と説く。

同社は、マプティシリーズの業績について「現在では、ブランドとして認知されたこともあり売り上げも急上昇し、3期目の2018年の売上は、約5億円を達成。今期(2019年)は、8億円前後まで伸びる見通し」という。
こうした好調を映してメーカーとしての売上が全体の8割、多いときは9割にまで達している状況にある。卸業も継続し、美容品にくわえて今期からペット関連の新規事業化も始めた。
「ル・クルーゼ」のペット商品の正規代理店となり、ホテルやペットショップに商品を卸している。今後は、OEMも事業の柱に育てていく方針で経営の多角化を進める計画。

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