【連載】化粧特許と知的財産権⑫富士フイルムHD、写真フイルム技術を化粧品開発に応用(中)

2019.07.4

特集

編集部

富士フイルムHDは、化粧品やサプリメント開発においてより純度が高く高機能なコラーゲン開発によって化粧品の商品化を実現した。
写真フイルムの専門家は、コラーゲンの専門家でもある。人間の皮膚の約70%を構成する「コラーゲン」は、写真フイルムの主成分でもある。より純度が高く高機能なコラーゲンを目指してコラーゲン研究をおこなってきた。また、化粧品やサプリメント開発において有用な成分を必要とするポイントに届けるためには、成分の微細化(ナノ化)と安定化が重要。
写真フイルムと肌の角層は、ほぼ同じ厚みの約20マイクロメートル(0.02ミリメートル)の間に様々な役割を持った粒子を、その役割を発揮すべき場所に適切に配置するという、高度なナノ化技術が使われている。
同社は、写真フイルムという極薄の膜の内部に光や色、画像をつかさどる微粒子を安定的に配置する独自の超微細化技術「ナノテクノロジー」を確立していたことも化粧品開発に拍車をかけた。

抗酸化技術を開発していたことも化粧品開発に弾みをつけた。品質を下げる一因とされる活性酸素は、写真の色あせの原因にもなる。写真を美しいまま残すために、紫外線などのダメージから予防する抗酸化技術や美しい画像づくりの技術は肌をキレイに見せる「光コントロール」技術として開発していた。

ただし、どんな成分でも「ナノ化」すれば良い商品が作れるという訳ではない。成分ライブラリーから必要な成分を選びだし、必要な場所へしっかり届けるために、蓄積された知識と最新の情報と技術で、日々研究をおこなっている。
すぐれた性能をもった成分であっても、化粧品中に安定に配合することが難しい成分がある。そういった成分をナノ化し安定配合することにより、その性能を引き出した。
例えば、アスタリフトの成分である「アスタキサンチン」は、美容と健康のパワーを秘めた成分だが、安定に配合することが非常に難しい成分だった。
同社は、アスタキサンチンのナノ化にチャレンジし、写真フイルムで培ったナノ化技術を駆使し、安定的に、高濃度に配合することに成功した。また、そのナノ化によりアスタキサンチンの抗酸化力をより引き出すことを可能とした。

ナノ化する大きなメリットのもうひとつは、成分の性能を保ったままサイズを極小にできること。成分が凝集したままの大きなかたまりの状態では、肌(角層)の奥まで届かない成分も、小さくすることで浸透させることができ、その性能を発揮することができる。 ナノ化したことにより、必要な成分を核層まで届けることを実現した。

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