【連載】この中小化粧品会社に注目⑧愛しとーと (下)~IT・AI、福祉、医療等の複合事業拡大~
2020.09.1
編集部
愛しと~とは、化粧品や健康食品等の販売をネット通販で行っているとはいえ、商品開発から自社工場(GMP工場)での生産、物流、マーケティング、コールセンター業務に至るすべての業務を一貫して行うメーカーである。
化粧品や健康食品の開発は、大学や自治体との連携・共同開発を含めて常時100アイテム以上の商品開発を行っている。
多数のアイテムの中から大学との共同開発を象徴する商品として誕生させたのが近畿大学薬学部と共同開発したヘアウォーター(写真)がある。
ヘアウォーターは、近畿大学水産研究所が養殖した「近大ブリ」の皮からコラーゲンを抽出して配合したもの。洗髪後、ドライヤーを使う前に髪にひとふきすることで、エアコンなどの乾燥から髪を守り、傷んだ部分をケアして髪に美しいツヤを与える。
同社は、海産物から抽出したコラーゲン配合のコラーゲンゼリー「うるおい宣言」(ブランド名)が健康食品として人気を集めているほか高齢化に対するアプローチとして健康維持のサプリメント開発を促進し、認知症予防の機能性表示食品も商品化している。
ここへきて目や脳の疲れをケアするeスポーツをプレイする人向けのサプリ「イーサプリ」を開発しネット通販を始めた。
eスポーツの競技人口拡大や関心の高まりを受け、需要層を取り込むのが狙い。プレーヤーに向け、紫外線やブルーライトなど特定の光を吸収する性質がある「ルテイン」や脳の興奮を抑え、リラックス効果をもたらす「ギャバ」を配合したサプリメント。水は不要でお菓子感覚で食べられるチュアブルタイプ。Lutein(ルテイン)のブルーベリ味、GABA(ギャバ)のレモン味の2種類。1ケース60粒入りで1500円(税別)。eスポーツは、2019年秋開催の茨城国体の文化プログラムに組み込まれており、8月3日、Fabbitアクロス福岡で開催された「ウイニングイレブン福岡県大会」で同社がオフィシャルサポーターを務めた。
同社では「パソコンやスマホの長時間利用による目のダメージ対策にも効果的。パッケージもこだわり、持ち運びしやすくしている。eスポーツプレーヤーはもちろん一般の方々にも利用していただきたい」と説く。
同社は今後、欧米など広く世界にマーケットを広げていくほか、通販事業の枠を飛び越えIT・AI関連事業、福祉事業、医療事業などさまざまな新分野へ進出して新たな事業領域を拡大していく方針。