【連載】この中小化粧品会社に注目⑮コーヨー化成(上)~化粧品分野に新規参入~

2020.10.5

特集

編集部

地方の中小化学会社が化粧品分野に新規参入した。この会社は、樹脂製品・ウエットティッシュ等を製造・販売する株式会社コーヨー化成(静岡県静岡市)。同社は、1970年に創業し1993年現法人を設立。以来、プラスチック加工、ウエットシート等の製造・販売を主体に事業展開してきた。

そうした事業展開する中で、化粧品分野に新規参入する契機になったのが静岡県の「産学共同研究委託事業」(2016年度)に参画したことが契機。
同事業は、静岡県産バラのブランド化に向けた「バラ抽出エキスの事業化都関連製品の開発」を目的とした産学連携事業。

静岡県は、研究開発の委託先として県のバラ振興会に委託し、同振興会が産学連携体を組織化して共同研究をスタートさせた。
連携体は、バラ農家へのバラ栽培育成指導と花弁の香気・配糖体測定を静岡大学が担当。県の工業技術研究所がエキス、花弁、化粧品の香気成分の測定を担当。

同社は、バラエキスの抽出とスキンケア化粧品の試作開発と事業化を目的に共同研究に参加した。
産学連携による共同研究として取り組んだテーマは
①高品位バラの育成技術の実用化
②バラ抽出エキスの採取確立
③バラ香気成分「DMT」の均一化・安定化
④バラ抽出エキスの保湿効果の検証
⑤バラ花弁の抽出
⑥バラ抽出エキスの肌への美容効果と効果を生かしたスキンケア化粧品の開発など。

この中で同社が開発に取り組んだ水蒸気蒸留装置を用いてバラの花弁から歳出したバラ抽出エキスには、ティーローズエレメントと称される美容効果が期待されるバラの香気成分「DMT」が含まれていることが判明。DMT量を測定したところ夏季に少なく秋・冬に増加し安定化することが分った。同時に、蒸留時間の調整によってDMT量を制御することでバラ抽出エキスDMT量を均一化することがわかった。

さらに、バラ抽出エキスに期待される保湿効果の検証については、人肌での保湿性試験を実施し化粧品への処方による保湿効果を調べた。
保湿試験によるとバラ抽出エキスは、化粧基材に用いられている精製水に比べて塗布初期から肌水分量が高くこの傾向は60分経過後も維持されるなど無塗布に比べて肌水分量が30%高める結果を得るなど保湿効果が実証された。

これらの試験結果から同社が開発を担当したバラ抽出エキスには、肌への美容効果が期待される香気成分「DMT」が含まれていること。また、抽出後に残った花弁から、乾燥バラ花弁を作り、これらを活かしてバラの香りの「スキンケア化粧品」の試作開発に繋げるなど化粧品分野への新規参入に足がかりをつけた。

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