【連載】この中小化粧品会社に注目㉛メリア(上)~ポーラ、丸井等が出資、マーケット等に調達資金活用~

2020.12.17

特集

編集部

現在、原 由記・和田 由紀の両氏が経営代表に就くMellia(メリア)株式会社(東京都中野区)は、起業3年超の新興ベンチャー企業。事業は、デリケートゾーン用スキンケア化粧品などフェムテック関連アイテムや美容雑貨、衣料品、サプリメント等の企画開発、販売、プロデュースなどを手掛ける。

同社についてこの2年間で特筆される動きがベンチャーキャピタル(VⅭ)や個人投資家などからの活発な資金調達による事業への投資活動。
資金調達の動きは、2019年6月に株式会社ポーラ・オルビスホールディングス(東京都中央区)からの資金調達と2020年1月のベンチャーキャピタル「NOW株式会社」(東京都渋谷区)及び6人の個人投資家を合わせた累計調達額が約1億円強に上ると見込まれている。
2020年10月には、株式会社丸井グループ(東京都中野区)の子会社でベンチャーキャピタルの「D2C&Co.株式会社」(ディーツーシーアンドカンパニー、東京都中野区)と資本業務提携を交わした。
同社に出資した 「D2C&Co.」は、丸井が掲げる「すべての人が幸せを感じられる社会の実現」という基本理念がメリアが描く「輝く女性創出」というビジョンが一致したことや「今後のD2C&Co.ビジネスのパートナーに加わってもらいたい」と丸井が羨望したことによる。

特に、丸井は、出資と合わせて業務支援を行うことを明確に打ち出したことが特筆される。年間2億人が来店するマルイ店舗や700万人を超えるエポスカード会員、小売ノウハウを持つ人材といったリソースを活用してメリアの成長・発展に向けた取り組みを支援する。
具体的には、丸井グループのクレジットカードであるエポスカードの会員に向けた優待を実施するなどの協業を進める。また、リアル店舗を活用した女性の能力開花「エンパワーメント」につながるイベントの開催や商材を集めたセレクトショップの出店を検討するなど女性に対し、もっと自由に自分らしく過ごせるための選択肢を提供していく方針。

一般的にVⅭは、ベンチャーに投資する場合「金を出すが経営に口も出す」というのがセオリー。その意味で、丸井の出資は、金だけでなく販促支援も行う点で注目される。
メリアは、こうした資本業務提携により、人員やリアルマーケティング、EC事業の強化等を加速するとともに消費者へ直接、商品を販売するD2C&Co.とリアルのシナジー創出によるデリケートゾーンケアマーケットの開拓及びデリケ―トゾーンケアが女性の間で当たり前の習慣になるような発信に力を入れることで、事業の成長・発展につなげる方針。

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