【連載】この中小化粧品会社に注目㊼ルバンシュ(下)~食べられるほど安全な化粧品に力~
2021.03.26
編集部
ルバンシュは「食べられるほど安全な化粧品」をモットーに天然由来成分で無添加の化粧品を開発し、通販市場を主体に販売している。
同社の「食べられるほど安全な化粧品」の代名詞となっているのが、食用成分100%のリップクリーム「ベジタブルリップ」。2000年11月に初めて通販市場に投入した。
このリップクリームは、ニンジンや大豆などの食用成分のみで製造した。食用成分で作られている商品イメージをさらに膨らますため、新たにオレンジオイルも加えて「フルーツ&ベジタブルリップ」を開発したところ20年たっても売上げを伸ばすなどロングセラー商品となっている。
この食用成分100%のリップクリームに引き続き、クレンジング・洗顔・化粧水のベーシックなスキンケアもすべて食用成分のみで作っている。
肌の老化を促進する紫外線を予防する商品開発にも注力し、中でも幼児期からの紫外線対策に重点をおいて「子供が自分で簡単に塗れるスティックタイプ」の日焼け止めや「家族全員の紫外線対策が日常化してほしい」という願いから、ハンドソープのような大容量ポンプ容器の日焼け止め乳液も商品化している。
商品開発の中で最も注目されるのは、産学官連携による柿ポリフェノールオリゴマーを用いた抗加齢商品「モイスチャークリーム」(写真)の商品化である。
同研究開発プロジェクトは、2006年5月に北陸経済産業局から採択された産学官連携事業「柿ポリフェノールを用いた抗加齢製品の開発」によるもの。
プロジェクトメンバーは、石川県からルバンシュと金沢大学薬学部、石川県農業総合研究センター、富山県から富山大学和漢薬研究所と明治薬品株式会社、九州から長崎大学薬学部の6社。それぞれの研究機関は、北陸で採取したリフェノールについて「有効成分の低社分子化技術の確立」「機能性評価」などに取り組み成果を収めた。
同社は今後、目指す商品作りとして「食べることができる化粧品作りを原点に引き続き、現行の商品をブラッシュアップして値段をできるだけ据え置きながら、内容をグレードアップすることで顧客還元を図っていきたい」と強調する。