【連載】この中小化粧品会社に注目(52)ル・シェール(下)~ソマシー配合化粧品を開発・販売~

2021.04.16

特集

編集部

糖脂質の持つ自然免疫の活性化力を活用した安全で安心な生活を守る技術の実用化を目指すため2013年3月に産学が連携して「自然免疫制御技術研究組合」(経済産業省の認可組合)を設立した。

ル・シェールは、自然免疫応用技研とともに同組合のメンバー(組合員)として参画。同時に、同組合が内部に設置した研究開発プロジェクトに共同で取り組んでいる。現在、同組合の組合員は、11企業3団体。

産学が連携して同組合を設立したのは、マクロファージを中心とする自然免疫の活性化制御が多くの疾患の予防・治療に有用であることから、食経験のあるグラム陰性菌の糖脂質を素材として応用する技術開発を一段と推進すること。中でも、糖脂質は、素材としての新規性と作用の新規性があり、高度な自然免疫制御技術の基礎と応用研究について産学を結集して行うことで、スキンケアや食品等の開発や新たな領域の医薬品開発等につなげるのが狙い。

同組合は、組合員の協働による自然免疫を制御する糖脂質解析・ 合成・利用技術の開発等に関する複数の研究開発プロジェクトを設置。同組合内部に設置されたプロジェクトの中でル・シェールは、自然免疫応用技研と共同で解析・生物活性評価の研究に取り組んでいる。

こうした免疫活性化成分ソマシーの研究開発をめぐる動きの中で現在、ル・シェールは、ソマシーを採り入れたスキンケア化粧品等を商品化し通販市場に投入・販売している。

これまでソマシー配合の化粧品として商品化したのは「肌のリンパを元気にし、マッサージ用としても使用できる」を歌い文句にしたボディミルク「ボディソマシ―」(写真)をはじめ、美容液のオールインワンエッセンス、クリーム、紫外線カットローションなど8品種に上る。また、LPS 配合の機能性ドリンクや栄養補助食品、サプリメントなども商品化し販売している。

先行き、化粧品の拡販をさらに拡大するためにどのような販路を切り開いていくのか、戦略・戦術が注目される。

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