【連載】この中小化粧品会社に注目(57)ユーティ化粧品(下)~クラウドファンディングでハンドクリーム開発 ~

2021.05.11

特集

編集部

ユーティ化粧品の同族会社でバス、トイレタリー製品や食品・飲料等を取り扱っているユーティホールディングス(ユーティ化粧品の代表者が兼務)は「宮古島のアロエベラファンド」と銘打ってファンド募集によるハンドクリーム(写真)の開発・製造に取り組んだ。

両社がアロエベラファンドを実施したのは、ハンドクリームの研究、開発及び製造費用を捻出することが狙い。中小化粧品会社がファンド発行を行って資金を調達したのは、珍しいケース。
ファンドの実施期間は、2014年7月1日から2018年6月30日。募集人数は148人、ファンド資金の募集総額は560万円。ファンド資金の使途は、アロエベラハンドクリーム製品の試作品開発・制作費等60万円、ハンドクリームの製造費400万円、ハンドクリームサンプル品の製造費100万円など。ファンドの投資家特典として1口2万1100円につき1万円相当(送料、税込)の保湿ジュエル等のセットを期間中に1回届ける。

同社がアロエベラファンドに打って出た背景には、手荒れに悩む利用者の「外側にももっとしっとり感があり、その一方でべたつかないハンドクリームが欲しい」という声に応えることと合わせて開発資金の軽減を図ること。また、沖縄県の宮古島では、島の水を汚さないよう、アロエベラを栽培するにあたり、農薬や化学肥料を使用しない。

多くの会社が海外産の粉末アロエに頼るなか、生産者の顔が見える国産の原料にこだわった商品開発を行い販売することで、アロエ栽培農家の振興に繋げる狙い。
ファンド活用によるハンドクリームの開発は、アロエベラ葉水(保湿成分)をベースに3種類のヒアルロン酸、マリンコラーゲン、セラミド1・セラミド3セラミド6IIを配合し、保湿成分が角質層まで浸透し肌に張りを与え、肌のキメを整える。また、爽やかで温かみのある天然アロマをブレンドしているので、肌にのせるとほのかに癒しの香りが広がる等の特徴がある。
現在、オンラインショップや通販主体に販売している。

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