女性経営者連載4・アクト・フォ(下) ~緑茶から香料成分抽出で特許取得、公的機関から支援仰ぐ~

2021.11.3

特集

編集部

アクト・フォの緑茶商品開発事業を大きく前進させたのは、緑茶から香料の原料を抽出する製法技術「茶生葉の香気成分抽出方法と茶生葉香気成分補集装置」(特許取得)の開発に負うことが大きい。

緑茶から香料の原料を抽出する技術については、茶畑で森林浴をしているような香りや茶畑の香りを採取することを考え、茶生葉のフレッシュな青臭を与えるみどりの香りの成分である青葉アルコールに注目し、青葉アルコールを多く含んだ茶生葉本来の香気を回収する技術開発に取り組んだ。

茶生葉の香気成分には、低沸点の香気が多いことから、青葉アルコールも例外ではなく、製茶中に香り成分が発散することで、香り成分がほぼなくなってしまう等の問題があった。

そこで、青葉アルコールを多く含んだ茶生葉本来の香気を回収するため、製茶蒸機の蒸気排出口から排出される蒸気を回収し、冷却して茶生葉の香気成分を捕集する茶生葉の香気成分捕集方法を開発した。

同社が農商工連携事業認定に当たって生茶葉を蒸す工程で排出される蒸気である天然の茶の香りを香料として活用できないかと考え、製茶機械メーカーに試作機を依頼した。

その製造方法と装置に関して知的財産での保護とメーカーとの契約について特許庁の知財相談センターでサポートをうけた。

具体的なサポートとして蒸気回収装置及び製法について発明のポイントや特許出願・共同開発契約書および共同出願契約等について指導・助言を受けるとともに海外展開の問題点や知財リスク、外国出願補助制度等についてアドバイスを受けた。

中小機構の支援制度「地域活性化支援アドバイザー派遣制度」も活用し、開発商品のブランディングおよび販促活動について支援を受けた。

支援は、商品コンセプトの設計や商品のネーミング、具体的な販売戦略の方向性決定などで事業化の実現に繋げることができた。

同社は今後、精油&アロマ香水の新SHOP開設と合わせてアロマ製品販売との相乗効果をいかに強化していくか、営業面での課題を背負う。また、天然緑茶アロマだけを贅沢に使った天然緑茶香水「Green Tea Ocean」に次ぐ新商品の開発が待たれる。

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