連載・異業種から化粧品分野に新規参入した上場各社の化粧品事業に迫る【5】第一三共ヘルスケア、「ミノン アミノモイスト」全面リニューアル(上)
2014.12.10
編集部
第一三共グループ傘下(子会社)の第一三共ヘルスケア株式会社(東京都中央区)は、主に一般用医薬品(OTC医薬品)や化粧品、健康食品などを取り扱う医薬品メーカー。三共と第一製薬の合併に伴うヘルスケア事業の統合を目的に2005年12月に設立した。
同社が化粧品分野に本格参入したのは、乾燥肌向けスキンケアシリーズ「ミノン アミノモイスト」を市場投入した2009年。その主力ブランド「ミノン アミノモイスト」(商品名=写真右)8品目をここへきて全面リニュアール。同時に、洗顔パウダーなど新製品3品目を追加して2015年2月から市場投入することになった。
ミノン アミノモイストのリニューアル化は、保湿力が高い9種の保潤アミノ酸に加えて2種の清透アミノ酸を配合するなどして処方を強化。同時に、酵素洗顔パウダー、美白美溶液、UV化粧下地の3品目とトライアルセットを追加するなどラインアップを拡充。また、使用直後の刺激感を確認する「スティンギングテスト」の実施や保湿クリーム、保湿マスクの効能試験を行い、乾燥による小ジワを目立たなくする効能の追加などを行い刷新する。
特に、9種の保潤アミノ酸と2種の清透アミノ酸を配合し、独自処方による肌の潤い、ハリ、つやなどをサポートするのがミソ。
今度、同社が乾燥肌向けスキンケア商品を5年ぶりに全面リニューアル化するのは、敏感肌、乾燥肌に悩む生活者へ新たな価値を提供するのが狙い。同社が乾燥肌スキンケアと並んで主力商品に位置づけているのが美白スキンケア「トランジーノ薬用ホワイトニング」(同=写真下)。
トランジーノ薬用ホワイトニングは、美白有効成分の「トラネキサム酸」を配合したスキンケアシリーズ。現在、ローション、エッセンスなど5品目を揃える。
トラネキサム酸は、第一三共が開発した抗プラスミン剤。このトラネキサム酸がしみの一種である肝斑にも効果があることに着目し、日本で初めてOTC医薬品として「肝斑改善」の効能効果で承認を取得、2007年に内服薬「トランシーノ」(OTC医薬品・第1類医薬品)を販売した。さらに、しみ全般のケアに対応するため、トラネキサム酸を美白有効成分として配合した薬用化粧品、トランシーノ薬用ホワイトニングシリーズを2010年から展開している。
全面リニュアールの「ミノンアミノモイスト」と「トランシーノ薬用ホワイトニングシリーズ」は、同社の品川・研究センタで基盤技術を開発、研究開発部が商品開発を行う体制を敷く。また、販売は、全国8000店に上る国内ドラッグストア中心に展開。生産は外注化している。
2014年5月からは、トランシーノ薬用ホワイトニングシリーズを韓国で販売するなど海外展開を始めている。今後、東アジアに拠点を拡大して販売を強化する方向で、検討を始めている。
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