中小企業が取り組む化粧品の新規事業【7】自然免技研、糖脂質配合の敏感肌化粧品投入へ、百貨店販売も検討
2015.03.17
編集部
バイオベンチャーの自然免疫応用技研(高松市)は、来年度にスキンケア化粧品を新たに市場投入するとともに百貨店での化粧品販売を検討するなど業容の拡大を図る。
来年度に市場投入するスキンケア化粧品は、敏感肌対応のスキンケア1品目。具体的な販売時期は、未定だが、現在の主力化粧品「パントケア」のブランドで販売している保湿クリーム(写真)、ボディクリーム、美容液の3品目に続く新製品投入となる。
現在、市場投入している「パントケア」ブランド3品目には、自社開発の植物発酵糖脂質素材「ライビー」(RIB)を配合しているのが特徴。来年度、市場に投入する新スキンケア化粧品にも「ライビー」を配合して商品化し販売する計画。
ライビーは、稲に共生するパントエア菌を米糠で発酵培養して作る新しい糖脂質素材。小麦粉を基質とし、小麦に共生するグラム陰性細菌(パントエア・アグロメランス)を発酵培養し、発酵培養液から糖脂質を熱水抽出。その後、菌体成分、残渣を除去・精製してつくる。
ライビーLL00は、復帰突然変異、染色体異常、単回投与毒性、90日間反復投与毒性試験およびヒト試験で安全性を確認している。植物発酵糖脂「ライビー」の繊維芽細胞によるヒアルロン酸産生試験では、ヒアルロン酸合成力がプラセンタの3倍に達することが明らかになっている(データ図)。
同社では、糖脂質を化粧品用の原料(商品名=ライビーLL00)として化粧品メーカーなどに販売する一方、3年前に糖脂質素材を配合した化粧品「パントケア」を商品化して市場投入。現在、「パントケア」は、ネット通販業者への卸しと化粧原料の販売先からの紹介などを通じて販売している。しかし、現在の販売は、県内が中心。今後、敏感肌対応のスキンケアを新たに市場投入するのを機会に「全国の百貨店などに販売網を広げて行きたい」考えで、取り組みを始めている。
同社は、2006年7月設立。自然免疫の評価・解析技術の受託事業を行う。パントエラ菌糖皮質の肌免疫力の技術開発で卓越した技を持つ。食品、化粧品の原料となる発酵糖脂質素材を化粧品に応用開発して化粧品分野に参入した。
- お問い合わせ