【連載】小さな泡“ファインバブル〟の秘めたるパワー【2】洗顔フォーム商品化、エステサロン肌の洗浄サービス
2015.11.9
編集部
ファインバブル産業界」(FBIA)は、2016年春から水質浄化や殺菌効果のあるファインバブルを応用した技術や発生装置(写真)、計測装置など製品の登録制度を始める。企業や大学などが持つファインバブル発生・計測装置やサービスの提供効果を第三者の専門家が保証。FBIAが定める登録基準を満たせば、登録証を発行する。ファインバブル技術の信頼性や認知度を向上し合わせて普及拡大の足掛かりにするのが狙い。
登録制度は、FBIAが指定する測定方法を用いたファインバブルの粒子径データや技術利用の効果を示したデータなどを申請者に提出してもらい、有識者らで構成する専門家が文書審査と実地審査を行って基準達成の有無を判断する。登録されれば認定証や登録マークが発行される。今年度中にFBIAの会員を対象に同制度を試験実施し、運用ノウハウを蓄積。来年から一般向けに本格実施する計画。
現在、ファインバブルの用途は、多岐にわたるものの需要は手探りの状態にある。しかし、この2年間に様々な分野で活用されるなど潜在需要の大きさと裾野の大きさを彷彿させる。
これまでファインバブルの特性を生かして活用されている事例として魚をファインバブル水に10分間つけると刺身の賞味期限がのびる。また、養殖魚や農作物の成長が早い。さらには、環境に優しい洗浄水や医療分野での細菌、ウイルスの破壊に利用などの動きが見られる。
特に、マイクロバブルの活用として油などによる汚濁水の洗浄効果、水棲動植物や水耕栽培での成長促進、化粧品工場などの廃水・汚泥処理や水処理などで使用実績が出ている。また、ナノバブルも洗浄効果や植物の成長促進などに使用される動きが見られる。
エステ・美容サロン、スパ施設などでのファインバブルのサービスとしてファインバブル発生装置、計測装置を導入して肌の洗浄やマッサージに使用。また、化粧水の代替としてナノバブル水が一部に商品化されている。
三重県の中小化粧品メーカーでは、ナノバブル化技術(ナノバブル配合製法)を使って洗顔フォームを商品化した。
ナノバブル技術は、微細な泡が肌への伸展性を良好にする効果があり、起泡ガスを窒素ガスすることで、防腐剤、抗菌剤などを無添加、減少化する。今後、ナノバブル水が化粧水、洗顔フォームなどの商品開発に応用されて行くものと見られる。
資生堂は、経済産業省の委託事業(平成24年度)「ファインバブル基盤技術研究開発事業」に参画して以降、現在では、日本発の革新的技術として化粧品での展開可能性を探っている。