【連載】化粧品各社のイノベーション研究【4】フォーシーズホールディングス② ~通販事業の新規・既存顧客獲得に力~
2015.12.3
編集部
株式会社フォーシーズホールディングスの化粧品、栄養食品を主体とする通販事業「コミュニケーション・セールス事業」のビジネスモデルは、ラジオによる広告やテレビ放映などで顧客を獲得し、コールセンターのアウトバウンドなどにより、既存顧客に継続して商品を購入してもらう形態をとる。
現在、同社の総売上高の74.2%を占める主力の通販事業「コミュニケーション・セールス事業」を担っているのが、株式会社フェヴリナ(福岡県福岡市)と株式会社サイエンスボーテ(同)の2子会社である。
コールセンターによる既存顧客の確保を得意とする株式会社フェヴリナは、天然由来成分とナノテクノロジーを採用したスキンケアシリーズ「ナノアクア」やベースメイクシリーズ「アクアフェアリー」、健康食品の「ビーアクア」の3ブランドを中心に通販事業を展開。特に、コールセンターによる既存顧客の確保を得意とする。また、株式会社サイエンスボーテは、アンチエイジングに特化したドクターズコスメの開発・通販を担当し、ラジオ放送による宣伝で、新規顧客の獲得を得意とする。
天然由来成分の化粧品は、日本、アメリカ、フランスの医学博士や肌細胞研究員と提携し、馬プラセンタ、ペプチド、ナノリポソームといった 希少な天然成分や先端の医療技術、科学を取り入れて実用化した。
前期(2015年9月期)において、株式会社フェヴリナと株式会社サイエンスボーテの2子会社は、新規顧客の獲得と既存顧客の確保の2つを軸に事業強化に努めた。
株式会社フェヴリナは、ラジオを使った宣伝広告で「新規顧客の獲得」を得意とする株式会社サイエンスボ―テのノウハウを共有するためにテストマーケティングを実施し、新規顧客の獲得を段階的に伸ばした。同時に、「既存顧客の確保」に関しては、従来からの愛用品に加えて、他の基礎化粧品等へ誘導するための施策を積極的に進めた。
一方、国産サラブレッドの馬プラセンタを主成分とした化粧水などアンチエイジングに特化したドクターズコスメブランド「ファインビジュアル」を通信販売する株式会社サイエンスボーテは、新規顧客をリピーターに変えることを得意とする株式会社フェヴリナのノウハウを共有するため、社内体制の構築及び社内教育に力をいれて取り組んだ。
これらの施策により前期(2015年9月期)の業績(連結)は、売上高23億7300万円(前期比86.4%増)、営業利益8700万円(同70.6%増)、利益3100万円の赤字(同89.5%減)となった(過去3期分の業績推移は表参照)。
また、前期のセグメント別業績は、コミュニケーション・セールス事業売上高17億6100万円。2015年4月に新設した子会社の株式会社Cureが営む化粧品卸事業(古くなった角質を除去するための製品「ナチュラルアクアジェルCure」及び岩塩を原料とする入浴剤「Cure バスタイム」の販売)は、本格的に事業を開始したのが2015年7月1日からで、前期(2015年9月期)に3ヵ月分の売上高1億6200万円を計上。
同じく子会社のクレイトン・ダイナミクス株式会社が営むカラーコンタクトレンズ事業も、2015年7月から9月までの3ヵ月間の売上高4億4900万円を計上している。