【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【8】ネオナチュラル② ~オーガニック化粧品を中国、台湾などで販売へ~
2016.08.5
編集部
ネオナチュラルは、自社農場やヘチマ農家との連携で栽培した化粧品用原料や素材を使ったオリジナル自然派化粧品を商品化して、市場に投入・販売している。
現在まで、国産オーガニックコスメとして「ラー ネオナチュラル」のブランドを擁立してシリーズ化し、クレンジングオイルやローション、美容液など13品目の化粧品を商品化した。ラー ネオナチュラル以外には、馬油配合のスキンケア製品やサプリメント、日用品なども商品化し販売している。
化粧品開発の基本は、伝承素材をそのまま生かす「一物全体」の思想をもとに商品化し、界面活性剤や凝集剤、防腐剤などは使用していない。
現在、ラー ネオナチュラルブランドの中で、顧客から根強い人気を博しているのが「ヒ―リングローション」(写真)。
無農薬栽培のヘチマ水や沖縄月桃をベースに和漢生薬等をブレンドし、水も一切加えずに作った100%自然成分の化粧水。特に、防腐剤を配合していないのに腐らないという特徴がある。
同社は「自然の素材には、自分自身を守るため元々、防腐作用を持つ物が多くある。同ローションは、この自然素材の特性を生かし数百種類以上もの組み合わせを検討し、それを踏まえてより良い使用感と防腐性能を両立させた。自社工場での製造も独自の無添加製法で無菌状態を保ち、1つ1つ丁寧に作っている」と差別化を強調する。
オーガニック化粧品を標榜して原料の開発から商品企画、生産までを一貫体制で行っているものの、事業規模(社員13名、2015年9月期連結売上高7億4800万円)は、必ずしも大きくない。
しかし「人にも環境にも優しい自然素材」をモットーに化粧品事業に取り組む姿勢は、環境共生型ベンチャーとして評価される。
国内の代理店を介して2015年から中国、香港、台湾、マカオでオーガニック化粧品の販売を始めるなど、海外展開に期待がかかる。