【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【32】構造機能科学研究所② ~肌の洗浄と保護保湿を同時に実現する基礎化粧品開発~

2016.11.22

特集

編集部

リムソープ・リムエモールスキンケアや基礎化粧品は「洗顔(洗浄)にはじまって洗顔(洗浄)に終わる」と言われているように、洗浄料の是非がすべてを支配するといっても過言ではない。構造機能科学研究所は、アトピー等の肌の弱い方にも最適な主要スキンケア製品「リムソープ&リムエモール」(写真)を2005年に開発して市場に投入した。

リムソープ&リムエモールは、肌の洗浄と保護保湿を同時にできる基礎化粧品。リムソープの洗浄後にリムエモールを塗ると、ダブルのバリアで肌を保護する。
従来のスキンケア化粧品との違いは、ソープ(泡洗浄料)が肌を洗いながら保護保湿でき、保湿オイルと組み合わせて使うことで保湿効果が15%もアップすることが実証されている。

開発にあたって、肌の汚れをとることと保湿を同時に実現する個々の構成分子が相互に作用する機能「超分子機能」の技術を開発して実現した。
これまでの洗顔料は「皮膚表面の油性物質を洗い流すこと」を目的として開発されてきた。結果として、肌バリアとして重要な役割を果たしている天然の保湿クリーム「皮脂膜」が落ちることは当然とされており、皮脂膜には汚れも付着しているので皮脂膜もきれいに落とせるものが良い洗顔料とされてきた。また、皮脂膜を失った肌は、急速に乾燥するため、洗顔後には保護保湿のための化粧品が不可欠として各種の製品が開発されてきた。
「皮脂膜を失った角質層には化粧水がなじむようになるが、外部からの人工的な保湿とバリアは、皮膚表面に向かって栄養を運び老廃物を排泄するという水分の運搬系(正常な代謝)が低下して、インナードライ(表皮細胞の乾燥)を生じる。さらに、皮脂膜を失くした皮膚からアレルゲンの侵入も容易になり、経皮感作というアレルギー体質になることがアレルギー増加の一因になっていることも明らかになっている」という。

このような観点から、天然の肌バリア「皮脂膜」を生かすことが健康美肌実現の鍵であるとして、リムソープ&リムエモールを開発した。
現在、リムソープ&リムエモールは、日本アトピー協会推薦品に認証されており、ネット通販に加えて病院や薬局等においても販売している。今のところ、リムソープ&リムエモールに続く化粧品の開発は見られない。

同社では、今後の開発方針として、短期的に医薬品としての承認や中長期的には食物アレルギー、花粉症などアレルギー全般に研究開発の対象を広げ商品化する方針。

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