【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業⑬糖質科学研(下) ~一般流通市場、エステサロンなどにも化粧品拡販~

2017.07.5

特集

編集部

糖質科学研究所は、超低分子ヒアルロン酸HA4が高分子ヒアルロン酸の産生促進効果があることを見いだし、この応用を化粧品において研究した。

豚を使った実験で、超低分子ヒアルロン酸HA4を皮膚上から塗布すると皮膚へ浸透し、その中でヒアルロン酸を産生促進することをつかんだ。
実験では、ブタの皮膚に高分子のヒアルロン酸(分子量80万)を含むクリーム、超低分子ヒアルロン酸(HA4)を含むクリーム、および何も含まないクリームを塗布し、数日後に皮膚切片を作成し、ヒアルロン酸の分布を観察した。その結果、HA4を皮膚上から塗布すると皮膚へ浸透し、その中でヒアルロン酸を産生促進することがわかった。

こうした超低分子ヒアルロン酸HA4の化粧品への応用研究の中から2011年に第1号の化粧品「オリゴヴィータ・スキンクリーム」を開発。2013年に美容液「オリゴヴィータ・リバースセラム」を開発。直近では、2017年6月に柔軟化粧水を開発した。

現在、これらのスキンクリーム、ローション、美容液を「オリゴヴィータ―」シリーズ(写真・スキンクリーム)として市場に投入している。
オリゴヴィータ―の販売チャンネルは、通販を中心としたチャンネルに加えて、2016年7月に中国・香港に本社を置くSET Corporation Limited Groupsの 日本法人「SET Corporation Japan Ltd」(東京都品川区)と総代理店契約を交わして一般流通市場向けに販売している。

美容サロン向けにも販売し拡販を図っている。2914年7月からベンチャーバンクの新しいサービス形態である会員制のパーツ美容専門サロン「ダンジョビ」に両社が共同で開発したHA4コスメシリーズを供給している。

ダンジョビは「フェイシャル」「ホワイトニング」「フォトハンドケア」のコスメシリーズを使って顔などの部分施術を行う美容サロン。
現時点において同社の化粧品販売は通販が主体で提携しているSET Corporation Japanや美容サロンでの販売はどの程度、奏功しているのか、未知数の部分が多い。その意味で同社の化粧品事業が成長の軌跡に乗っているか、どうか、を見極めるには、時間が必要だ。

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