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がんの原因にホルムアルデヒド

ホルムアルデヒドが、がんを誘発するという研究結果が6月1日、「Cell」オンライン版に掲載された。この論文は英国の新聞「The Independent」、「The Sun」、「Daily Mail」でも化粧品やシャンプー、酒やガソリンに含まれるホルムアルデヒドでがんの危険性があると取り上げられた。

近年、DNAの損傷修復に関与していることが明らかになった遺伝子BRCA2。その遺伝子の突然変異は、女性の乳がんや卵巣がん、男性の前立腺がんを誘発する制御不能の細胞増殖につながる可能性がある。

ホルムアルデヒドは、自然界に普通に存在し、常温においては無色透明の気体で、特徴的な臭気をもつ。工業的には合成樹脂の原料として使われることが多い。フェノール樹脂、メラミン樹脂などの原材料であるほか、接着剤、塗料、防腐剤にも使用されている。シックハウス症候群の原因として有名で、気化したホルムアルデヒドを吸入することで、呼吸困難、肺浮腫、結膜炎、咽頭炎、皮膚炎などを引き起こす。

今回の研究では、ホルムアルデヒドがこのBRCA2を選択的に損傷させ、生成するDNA修復タンパク質の量を減少させることがわかった。この結果から、ホルムアルデヒドが直接的に疾患の原因となるばかりではなく、遺伝子レベルでの疾患の原因となる可能性が判明したことになる。天然アルデヒドも環境アルデヒドも同様にBRCA2に損傷を与えるという。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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