【連載】大手化粧品会社の研究⑳ハウスオブローズの会社研究 ~2017年3月期、減収増益、スキンケア売上比率41.6%に~(中)

2018.05.10

特集

編集部

ハウス オブ ローゼは、現在「直営店商品販売事業」や「直営店サービス事業」及び「卸販売事業」の3つの事業を柱に取り組んでいる。

2017年3月期における3事業部門別(セグメント別)の業績を見ると、直営店商品販売事業は、主力のハウス オブ ローゼ直営店での販売が一年を通じて「ミルキュアピュア」及び「リファイニングホワイト」の両スキンケアラインを主軸とした販売力強化やポイントメイクアップラインを一新して市場投入したこと。直営店舗の出退店や自社ネット通販を中心に情報発信の強化に取り組んだことなどから、売上高107億93百万円、営業利益前期比86.3%増の2億32百万円と大幅に利益改善を実現した。

直営店サービス事業のリラクゼーションサロン事業は、課題であったサロンスタッフの育成と定着率向上を目的に研修制度の強化や店舗運営の改善に取り組んだこと。また、米国発祥の女性専用小型フィットネスクラブ「カーブス」のフランチャイジー事業は、新人スタッフの育成教育を強化し、サービスレベルの維持・向上を図ったことで、期末会員数が期初比で約130名増加し、期末人数では初めて1万名を超えた。しかし、売上高は、15億93百万円(前期比2.2%減)、営業利益がスタッフの補充による費用の増加等が影響して1億19百万円(前期比30.5%減)となった。

個人オーナー向け卸売販売事業部門は、店舗数の減少や熊本地震で被災した店舗の休業等が響き売上高は微減となったが、量販店向け卸売部門がボディケア化粧品を中心とした新MD「リラックスタイム」の展開による新規チャネルの拡大や通販事業者向け卸売の増加等により売り上が増加。この結果、同事業の売上高は12億48百万円(前期比8.1%増)、営業利益50百万円(前期比4.7%減)となった。

これらカテゴリー別業績の結果、2017年3月期の業績は、不採算事業及び不採算店舗の閉鎖による店舗数の減少等により売上高は、前年度比2.1%減の136億36百万円と減収になった。しかし、その反面、費用面では、ハウス オブ ローゼ直営店の売上原価率がスキンケア販売強化に伴い低減したこと。同時に、物件費を始めとする諸経費の削減効果もあって営業利益4億2百万円(前年同期比15.1%増)となった。当期純利益は、2億12百万円(前期比62.2%増)となり、2017年3月期は、減収増益となった。
因みに、2017年3月期の商品別販売実績は、スキンケア化粧品56億82百万円、メイクアップ化粧品8億65百万円、ヘアケア・ボディ・バスプロダクツ47億1400万円、化粧雑貨9億49百万円、リフレクソロジー8憶55百万円、その他5億9百万円となっている。総売上高に占めるスキンケア化粧品(写真)の売上比率は41.6%を占める。

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