【連載】大手化粧品会社の研究㉖フォーシーズホールディングスの会社研究 ~化粧品通販・卸事業等を子会社が担当~(下)

2018.06.5

特集

編集部

フォーシーズホールディングスは、持ち株会社である同社と子会社フェヴリナ、サイエンスポーテ、キュア3社でグループを構成している。また、子会社が化粧品、健康食品の通販事業「コミュニケーションセ―ルス事業」と化粧品や入浴剤の卸売り事業「化粧品卸事業」を行う構図(事業系統図参照)となっている。

化粧品、健康食品等の通販事業「コミュニケーションセ―ルス事業」は、子会社のフェヴリナとサイエンスポーテ(フェヴリナの子会社)が担当。化粧品、入浴剤等の卸事業「化粧品卸事業」は、キュアが担当している。また、子会社のクレイトン・ダイナミクスで行ってきたカラーコンタクトレンズの製造・販売事業については、2017年第3四半期連結会計期間においてクレイトン・ダイナミクスの全株式を譲渡したことから連結範囲から除外している。

子会社の具体的な事業内容は、フェヴリナが天然由来成分とナノテクノロジーを採用したスキンケアシリーズ「ナノアクア」 をはじめ 、ベースメイクシリーズ「アクアファイアー」 、健康食品の 「ビアクア」の3ブランドを中心とした化粧品・健康食品の通信販売を行っている。引き続き、顧客ごとに専属オペレーターを付ける「カスタマーフレンド」の体制を強化。カウンセリングと顧客のロイヤル化をさらに進める。一方で、広告宣伝を積極的に行い、新規顧客の獲得に力を入れていくほか、今後の施策として価格帯やターゲット層を変えた別ブランドも市場投入する方針。また、これまで通販だけで販売展開してきたが店舗展開も検討し、ウェブやスマートフォン経由の販路も強化していく。

サイエンスポーテは、フェヴリナが子会社として設立した化粧品を中心とした通信販売事業を行っている。具体的には、日本、アメリカ、フランスの医学博士や肌細胞研究員と提携して、馬プラセンタ、ペプチド、ナノリポソームといった 希少な天然成分や先端の医療技術、科学を取り入れて実用化したアンチエイジングに特化したドクターズコスメ の開発・通信販売を行っている。今後は、ラジオで獲得した顧客に対してDMや電話による顧客接点を強化し、リピート購入とロイヤル化を促進していく。

キュアは、化粧品の卸売り事業を行っている。具体的には、古くなった角質を除去する「ナチュラルアクアジェルCure」及びヒマラヤ山脈でとれた天然の岩塩を原料とする入浴剤「Cureバスタイム」の販売を行っている。

こうした子会社が担当する事業の取り組みが、フォーシーズHDの収益を大きく左右するカギを握る。今後の子会社の事業展開が注視される。事業系統図に同社と子会社フェヴリナ、サイエンスポーテ、キュア3社の事業に関わる関連性を示す。

#

↑