【連載】大手化粧品会社の研究㉙北の達人コーポレーションの会社研究 ~法人化13年で1部市場に上場、目を見張る高収益体質~(中)

2018.06.14

特集

編集部

北の達人コーポレーションの高収益が目立つ。同社は、2000年に北海道特産品のネット通販サイトを開設し、2002年に法人化した。2006年には自社開発の健康食品「カイテキオリゴ」サイトを開設、主力事業を健康・美容分野に集中した。その健康・美容分野の成長を背景に、2012年5月には札幌アンビシャス市場に上場、2014年11月に東証2部に上場、2015年11月に東証1部に上場するなど、法人化して13年で1部市場に上りつめた。

「おもしろいをカタチにして世の中をカイテキにする達人集団」という経営理念のもと群雄割拠の通販市場で株式公開を確実に実現した背景には、同社の成長軌跡と高収益体質が株式市場から好感されたことが大きい。

同社の前期(2018年2月期)業績は、集客部門の人員を増員し、広告の自社運用化を促進し、シナリオマーケティングの導入が大きな成果をあげた。ユーザーの状況、競合の状況、自社商品の強みなどを従来の広告代理店ではカバーしきれないレベルで細かく分析した上で商品のコンセプトや訴求を設定し、そのコンセプトに基づいて原稿から商品同封物までをシナリオに沿った統一性のあるものにすることで、これまで以上にブレのない広告を展開することを可能とした。また、シナリオマーケティングをWeb広告の配信設定においてもいち早く導入することによって、きめ細かなターゲッティングを実施し、狙ったユーザーのみへの広告配信を可能とした。
そのほかにも、各ネットメディアの活用に向けて積極的に取り組み、新たなネット広告媒体と次々と契約を行うとともに、各大手ネット広告メディアとは取引額が大きくなったことからメディア内部に「北の達人」担当を設置するなどより深い関係を構築することで、一般他社よりも有利な広告運用をできる環境を整えた。その結果、新規獲得能力の大幅な増強と効率性を実現し、広告宣伝費への大規模な追加先行投資を実施しても利益を十分に生み出せることにつなげた。

さらに「美しく健康的な爪へと導く爪専用ジェル「クリアネイルショット」」の市場投入によるイメージキャラクター起用での商品の知名度向上と啓発宣伝が奏功。
その結果、前期業績は、売上高が前期比96.2%増の52億92百万円、営業利益前期比159.0%増の14憶03百万円、最終損益前期比165.9%増の9億48百万円と高収益を実現した。
こうした高収益は、今期(2019年2月)も継続する見込み。高効率で高集客のマ―ケティング体制をさらに進化させて広告効果の分析力を高めていくとともに、顧客満足度の高い独自商品の開発を進めることで収益をさらに高める計画。表に同社の業績推移(3年間・非連結)を示す。

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