インドネシア化粧品市場、日米欧が激突

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2013.03.27

編集部

総人口(2億4千万人)の45%が女性で占めるインドネシアは、女性と中間層を牽引力に東南アジアの一大化粧品市場に躍り出た。すでに化粧品市場は、2012年で12兆ルピア(998億円、1ルピア0・009円換算)に達し、今後とも2ケタ成長を辿るのは確実な状況にある。石油、天然ガスなどの産出国インドネシアの国民総生産(GDP)は、2012年で8900億ドル、1人当たりのGDPが3500億ドル(名目)にのぼり2015年にGDPが1兆ドルの大台に乗せるのは確実な情勢。経済の成長は、化粧品市場を確実に押し上げている。インドネシア化粧品企業連盟では「現在、総人口に占める女性の人口が1億1000万人にのぼる。その内、20歳以下の若者が35%を占めており化粧品市場を押し上げる原動力になっている。インドネシア国内の化粧品市場は、現在の12兆ルピアから2015年に12兆8千億ルピアになり2ケタ成長が続く」と予想。

ここへきて女性の就業意識の高まりからスキンケア―やメーキャップする女性が急増。また、1世帯当たりの可処分所得に占める中間層(1万5千ドルから3万5千ドル)が7300万人にのぼるなど女性と中間所得層がインドネシア化粧品市場を牽引している。こうした東南アジア最大の化粧品市場と目されるインドネシア市場に先発組のマンダム、花王、資生堂などの日本勢を追撃する形で、巨大企業ユニリーバやPGが現地に生産工場を建設しタイ、シンガポール、フイリッピンなどへの供給を開始するとともにインドネシア化粧品市場に本格参戦、韓国、中国勢も加わって激しい争奪戦を繰り広げている。
インドネシア化粧品市場に進出した日本勢や欧米ブランド各社は、首都ジャカルタの百貨店に販売コーナーを開設し、ブランド浸透を図りながら価格500万ルピー以上の化粧品を富裕層向けに販売。同時に、基礎化粧品などの商品アイテムをラインアップして需要に繋げる展開に打って出ている。また、女性、男性用化粧品の需要が高いスーパーやコンビニなどモダンマーケットと雑貨店での小売販売を強化するため、現地の代理店と連携して販売チャネルの拡充に取り組んでいる。伝統的な販売チャネルの雑貨店では、容器のサイズ、容量とも大きい整髪料は、所得水準からみて売れ行きが伸び悩みの状態。それに対して容器のサイズや容量が少ないダウンサイズで1個3円(300ルピア)のクリームや整髪料が飛ぶように売れている。小売市場の攻略は、待ったなしの状況だ。

日系企業にとって消費者の嗜好や購買動向を掌握しながら急速に変化する市場に対して迅速に商品投入し合わせて他社に先駆けて流通・販売チャネルをスピーディに構築することが一段と求められている。引き続き、東南アジア市場の中でインドネシア化粧品市場の新たな潮流(ウエ―ブ)に目が離せない。

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