ピロリ菌除菌で酒さ様皮膚炎改善

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2017.05.11

国際部

酒さに対するヘリコバクターピロリ治療の効果に関する研究が4月28、「The Journal of Dermatology」オンライン版に掲載された。

酒さ(酒さ様皮膚炎)は30代以降の人に多い、主に顔面に生じる慢性の炎症性疾患で、紅班(あかみ)、座瘡(にきび)などの症状が原因不明のまま続くものである。これまでもヘリコバクターピロリはその原因の1つとして議論されてきた。今回の試験では、ピロリ菌の標準除菌プロトコルが酒さに及ぼす影響を評価した。

患者は血清学的検査でピロリ菌感染を有することが確認され、ピロリ菌の除菌を行った。酒さ症状は試験開始時、2か月後、180日後(試験終了)にDuluth rosaceaを用いて評価した。ピロリ菌陽性の872人の患者のうち、167人(19.15%)が酒さの臨床的特徴を示した。167人のうち150人がピロリ菌除菌を受け、92%(138/150)の治癒率を示した。

138人の患者では、毛細血管拡張や脈状変化などを除くほとんどの基準において、いずれの時点の評価でもDuluth rosaceaスコアの有意な低下を示した。これらの結果から、ピロリ菌の根絶が酒さの改善につながると結論づけられた。

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