【特別企画】大手各社の化粧品事業戦略に迫る[13] マンダムインドネシア海外事業を牽引、今期187億円計画

2013.07.25

特集

編集部

マンダムインドネシア海外事業を牽引、今期187億円計画

国内トレンドヘア商材を投入、若者のスタイリング離れ防ぐ

男性化粧品の雄マンダムの海外売上比率は、今期(2014年3月期)40%に達する見通しとなった。特に、海外事業を牽引するインドネシア現地法人「マンダムインドネシア」の業績が好調で、今期(2013年12月期、年1回12月決算)の売上高は、前期比約52億円増の187億4600億円を見込む。ここへきて同インドネシア法人は、インドネシア国内の需要拡大に対応し、合わせてアジア全体の製品供給体制を確立するため現在、37億円を投じて本社社屋と仕上げ工場を2014年12月完成目指して建設中だ。

マンダムは、2014年3月期に連結売上高660億円以上、総売上高に占める海外売上構成比を40%に持って行くことを骨子とした3ヵ年中期計画を推進中。マンダムの成長エンジンと位置付けづけるる海外での売り上げ比率は、前期(2013年3月期)でインドネシアとその他海外事業の売り上げを合わせて36・8%に達する。今期は、インドネシアの売り上げが大幅に増えることから海外での売り上げ比率は、前期比3・2%増の40%に達するのは確実な情勢。

GATSBY:商品をさがす現在、インドネシア・ジャカルタ証券取引所に上場(1997年)し、フイリッピン、タイ、マレーシアでの販売拠点に位置付けているインドネシア現地法人「マンダムインドネシア」(1969年設立)は、男性整髪の「ギャツビーブランド」をアジアグローバルブランドとして確立するため、スーパーやコンビニ大型流通のモダンマ―ケットでの小売販売と伝統小売市場であるトラディショナルマーケットの両面作戦で攻勢をかけている。

同社では、「現在、インドネシアの化粧品市場規模は、28兆2261億ルピアに達し、同市場に占めるマンダムインドネシアのシェアは、約5%強にのぼる。また、ヘアスタイリング分野におけるシェアは、70%強を占める。インドネシアの経済成長に伴う生活者の所得向上で、購買力も向上し生活者のニーズが多様化している。これに対応して男性、女性共にフェイス&ボディケアカテゴリーの新製品を投入して販売を強化し、売り上げ拡大に繋げる」と言う。

しかし、インドネシア市場で、競合他社との攻防が一段と激しさを増してきたのも事実。化粧品市場の30%強を占めるヘアケアカテゴリー分野にP&Gとユニリーバが進出し、現地に生産工場を建設して供給体制を強めるとともに、現地の代理店と提携して販売チャネルの拡充に取り組むなど攻勢に出ている。また、男性のスキンケアでは、Garnie、Vaseline、OXYなどの化粧品ブランドに加えてロート製薬や中国、韓国メーカーも加わって激しい争奪戦を繰り広げている。

こうした中でマンダムインドネシアは、高品質で低価格な製品の安定供給を狙いに現在、容器成型工場があるチビトン地区に本社社屋と生産仕上げ工場を建設しており生産能力を1.6倍に増やす。

同社の海外拠点数は、現在、インドネシアを含めてタイ、中国、インドなど10拠点にのぼる。中国市場では、販売エリアを都市部から内陸部の省都にまで拡大し、若者男性へのスタイリング提案を行うなどして拡販に繋げている。また、タイ現地法人を中心にベトナムやミャンマーなどインドシナエリアでの販売拡大に乗り出し現在、現地代理店と協働して流通網の整備に取り組んでいる。2012年3 月に設立したインド現地法人「マンダムインディア」は、同年 7月から本格的にマーケティング活動を開始。現在、小売、店頭販売を強化しながら現地のニーズにあった商品開発を進め、人口11億人市場を取り込む。

一方、今年度(2013年度)の国内販売強化策として男性化粧品(前年度売り上げ415億円)の中で中軸商品「ギャツビー」(同348億7000万円)については、10代男性のヘアスタイリング剤使用率低下への対応として自然で軽やかな毛流れをつくるトレンドヘアの商材を販売し、若者のスタイリング離れに歯止めをかける。また、女性コスメについては、水クレンジングを柱に多忙な女性に対しての時短コスメの展開を強化する。これらの施策によって国内化粧品の売り上げを底上げする方針。

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