「我が社の生薬配合化粧品ビジネス」【9】アートネイチャー、合弁設立、化粧品、育毛剤、ヘアケアなどを強化(上)

2015.06.15

特集

編集部

アートネイチャー本社ビル

アートネイチャー(写真・本社ビル)は、1967年6月に会社を設立して今年6月で満48年を迎えた。2009年12月には、特体保健用食品(特保)で国内有数の取得件数を誇る0EM企業と合弁会社「ビューティラボラトリ」(100%子会社=表)を設立。以降、男女用かつらに加えて育毛剤、ヘアケア商品などの領域にも触手を伸ばし、ビジネス展開を加速している。

同社は、これまでオーダーメードかつらを主力に総合毛髪企業として男性、女性を問わず一人ひとりの個性に合わせた最適なソリューションを全国250の店舗を通じて提供。現在では、男性用かつらで、トップシェアに躍り出た。

しかし、ここへきてライフスタイルの変化やアンチ・エイジング志向の高まりなどで、毛髪に関する顧客のニーズが多様化。前期(2015年3月期)決算では、増収の半面、営業利益、最終利益とも前期に比べて減益になるなど事業を取り巻く環境の変化をモロに受けた格好。特に、収益の約72%強を占めるかつらの売上に頼った収益構造では、多様なニーズやグローバル化が進展する中で、かならずしも経営基盤が盤石とはいえない。

同社は、今期(2016年3月期)業績(連結)を売上高450億9,000万円、営業利益45億8,000万円、利益27億8,900万円と増収増益を計画。この数値目標を達成するため、定期来店数の誘導、優良顧客の囲い込み、店舗スタッフのスキル向上などに取り組む。

合弁会社は、毛髪事業の垣根を越えた競争力に対応して新たな着想・視点で、健康と美容関連の市場における成長機会の取り込みを図ることを目的に設立した。

同社は「男女のかつらを主力とした収益構造から転換するために、新たな収益源として化粧品、育毛剤、ヘアケア商品などの収益向上に向けたビジネス展開が欠かせない。毛髪事業の垣根を越えた競争力に対応して新たな着想・視点で、健康と美容関連の市場における成長機会の取り込みを図る」と指摘。同時に「合弁事業に乗り出して今年で約5年半になるが今では、当社のマーケット力と合弁相手の技術・商品開発力がベストミックスの形で、相乗効果を発揮。化粧品、育毛剤、スカルプ(頭皮)ケア、トクホ商品など幅広い分野で、新たにビジネス攻勢をかけるまでになった。引き続き、合弁会社を通じて専門性の高いソリューションサービスを提供していきたい」と強調する。

今期は、合弁会社を中心にヘアケア商品などの通販・卸売を強化する。と同時に、中国市場で、かつらや育毛剤、スカルプ(頭皮)ケア商品などの販売を中国・現地スタッフのスキルアップを図って推進。また、シンガポールを拠点に周辺国への展開を図るなどして収益拡大に繋げる計画。

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