【連載】化粧品各社のイノベーション研究【9】B-by-C② ~2017年にも株式公開へ~

2016.01.22

特集

編集部

B-by-C株式会社の業績は、美容室のフランチャイズチェーン(FC)「ミッショナリー」事業を中心に好調に推移。2014年12月期売上高は14億円を達成。2015年12月期売上高は、前期比約6億円増の約20億円にのぼる見込み。表に同社の創業時から現在までの6年間の決算期別売上高推移を示す。
無題こうした好調な業績を反映して、2017年にはベンチャー向け新興市場(ジャスダック、東証マザーズ等)に上場する計画で、現在、監査法人や幹事証券と連携を図りながら有価証券報告書や中期経営計画書の作成などの準備に入っている。

同社は、2010年9月にベンチャーキャピタル(VC)のジャフコから投資を受けており、2017年にも上場すれば7年で上場実現となる。

しかし、上場を見通せる状況になるまでには、これまで大きな辛苦を舐めた。特に、2006年に親会社が多角化の一環として始めた現在の美容室FC事業が、累積赤字を抱えて存続の危機に陥った。

そうした中、2009年に現社長の佐藤達也氏が事業を買い取る形で事業を継承し、ミッショナリーの社名で事業を始めたものの社員の給料を出せる状況ではなかった。しかし、全社員が一丸となって事業に取り組んだことで、徐々に事業が軌道に乗り、今日では上場を見込めるまでに成長・発展した。

同社は、2017年にも株式公開を実現した後、海外展開を加速・強化し、成長の軌跡を一気に駆け上がって行く方針。将来は「美容と健康で世界一の企業を目指す」と大きな目標を掲げる。

現段階で、企業の成長を証す株式公開が計画通り実現するかは、不透明だ。しかし、同社を表して「美容関連でベンチャーを興し、経済の閉塞感を打破して新たなビジネスのイノベーションを起こす」との期待感は高い。

今後、若者の感性が溢れた美容業界において新しいサービスの提供を行う独立指向の開業者が登場し、上場を目指して果敢に新規事業に取り組むベンチャー企業が続々輩出することが期待される。

そのトリガーとして美容事業を中心としながらも関連する事業の多角化を展開する同社の動きは、極めて注目に価する。

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