【連載】化粧品各社のイノベーション研究【29】ゼリア新薬工業② ~イオナ、主力ユーザーのドラッグストア等に提案営業~

2016.06.21

特集

編集部

ゼリア新薬工業の化粧品子会社イオナの化粧品販売は、メインチャネルのドラッグストアやグループ企業の取引先企業などに対する積極的な提案営業を行っている点に特徴がある。

提案営業は、ドラッグストア本部に大規模な企画提案を行う場合、新商品の売込み、売場展開、販促内容についてバイヤーと打ち合わせを行う。また、ドラッグストアを1日5~10店舗訪問し、納品交渉、売り場づくり、販促商談などを行う。特に、店舗や顧客のニーズに合わせた商品展開について店長・化粧品担当者等に提案。同時に、各店舗や地域の顧客のニーズに合わせたPOPやチラシなどの販促ツールを作成する場合、営業企画と打ち合わせを行ない各種ツールの作成指示を行う。
主にイオナの化粧品を扱う多店舗展開のドラッグストアや美容・エステサロンなど販売店の新規開拓に加えて、新規の企業に商品の魅力を伝えて販促活動、商品の使用方法、販売方法のレクチャーなどを推進している。

また、既存販売店に対しては、店舗作り、売り場作り、商品の陳列方法などについてサポート。同時に、販促に関わる企画提案、商品のプロモーション企画、セミナー業務なども行っている。

イオナがこうした提案営業による化粧品販売の乗り出しているのは、ゼリア新薬工業の基本方針に沿って、「新商品の納入や売り場を拡大していくためには、店舗の担当者との協力が不可欠。日々の営業活動や積極的な企画提案を行うことで、当社のファンになってもらうことが重要」との考えによる。

化粧品事業の海外展開については、2010年5月に台湾の代理店を介してスキンケア「イオナ」シリーズを海外で初めて販売した。しかし、それ以降、海外展開については全く音沙汰がない。

同社では、化粧品の海外展開について「子会社化したベトナムのF.T.ファーマ の既存事業を成長させて、現地で浸透を図ることを優先する考え。その上で、ゼリア新薬工業のコンシューマー・医療関連製品やイオナの化粧品、OTC、医療用医薬品を展開して行く方針」としている。

 

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