大手化粧品各社の海外M&A(上)~買収総額約3700億円に

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2014.06.24

編集部

国内大手化粧品各社の海外事業拡大策は、自助努力による海外市場の開拓と海外企業の買収(M&A=吸収・合併)による両輪作戦で展開。特に、大手化粧品各社にとってM&Aは、海外での成長を持続する原動力になっている。

化粧品各社の海外企業買収の目的は、海外市場での市場占有率を高め、収益向上に繋げること。同時に、世界市場に繋ぎ目のないシームレスなネットワーク網を構築して商品開発・販売面でのシナジー効果を図る狙い。

これまで大手化粧品各社の海外企業買収は、成熟市場にある欧米での買収を中心に展開してきた点に特徴がある。

美容経済新聞社の取材による国内大手化粧品4社の主要な海外企業買収案件(表)は、2000年から2014年までの14年間で、4社合わせて7件、買収総額が約3700億円にのぼる(推計)。

1件当たりの買収額で最も大きい大型買収は、2000年にNARS(米国)買収後、10年後の2010年1月に資生堂がファンデーション大手の米ベアエッセンシャル(BE)を買収した案件。資生堂のベアエッセンシャル買収額は、1800億円にのぼり1件当たりの買収額では、最大規模を誇る。また、同社は、NARSの買収金額について「非公開」として具体的な買収額を開示していない。花王が買収した米ジョン・フリーダ、英モルトン・ブラウン2社の買収総額と比べて買収当時の為替によって変動があるものの約倍の大型買収となっている。

コーセーは、2014年3月にフルーツから抽出した天然由来成分配合の化粧品を北米中心にタイやマレーシアなど6カ国で計1500店舗を展開していたタルト社(米国)を1億3500万ドル、邦貨換算137億円で買収した。同社にとって海外化粧品企業の買収は初めてのケース。

ポーラ・オリビスホールディングス(HD)は、北米・豪州市場の強化を狙いに2011年7月と2012年2月に2件のM&Aを実施した。
海外企業買収の動きの中で花王の海外M&Aは、2000年の前半に実施するなど他社より一歩先んじている。

花王は、2002年に米高級ヘアケア製品メーカーのジョン・フリーダ社、2005年に英高級化粧品メーカーのモルトン・ブラウン社を買収。世界のヘアケア市場でシエアを拡大し合わせて高級ブランドの育成を図るのが狙い。

ここへきて大手各社は、買収した海外企業とのシナジー効果をどの様に推し進めて行くか、グローバル化に合わせた買収後の新たなグローバル戦略の再構築に迫られている。

国内大手化粧品5社のM&A

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