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現代人のための美容セルフケア術:心と体を整えるナチュラルアプローチ


「もう限界」「エネルギー切れ」「心身ともに疲れ果てた」——そんな言葉が、あまりにも頻繁に聞かれるようになっています。この慢性的な疲労は、まるで“当たり前の状態”のように受け入れられつつあり、共に生きていかなければならないものと思われがちです。しかし、やみくもにビタミン剤を摂取しても、状況が劇的に変わることはありません。

幸いなことに、自然の力があなたを救ってくれるかもしれません。悪循環を断ち切る鍵は、自然の方法で心身をリセットすることにあります。それは、健やかな再出発への一歩となるでしょう。

執筆:Carole Berger(マッサージトレーナー、講演者、著者)
および Xavier Audebert(自然療法士・リフレクソロジスト、ナチュロパシー専門学校(Euronature、École de Santé Naturelle)講師)

※重要な前提

本記事では、慢性疲労症候群やその他の疾患に起因する疲労については取り扱っておりません。これらの症状には医療的な対応が必要であり、まずは医師の診察を受けて、病気によるものでないかを確認することが欠かせません。そのうえで、疲労の原因が身体のニーズに合っていない生活習慣によるものと判断される場合に、以下の内容が参考となります。

自然の力で整える現代の疲労回復メソッド

疲労は、ストレス、生活のペース、さらには季節の変わり目などとともに現れます。こうしたとき、自然は、私たちを本来の自然かつ生物学的な環境に戻すことで、シンプルな解決策を提供してくれます。それは、ただ一時的な回復ではなく、持続的な変化をもたらすためのアプローチなのです。

この疲労への対処には、食生活、生活環境、そして過剰に思考に偏りがちな心のバランスを整えることなど、多角的な戦略が必要となります。

奇跡的な即効性のある方法は存在しませんが、複数の要素を組み合わせることで効果を高めることは可能です。つまり、身体が新たに「良い習慣」を取り入れ、それを継続していくことが重要です。こうした新しいセルフケアのあり方を根付かせることで、初めて本質的な変化が生まれるのです。

みんなで「リバイタル・ケア」へ!

目指すべきこと:活力をもたらす食生活を実践し、疲労の原因を減らし、身体のバランスを保つために適切な運動を取り入れ、質の良い睡眠をとることです。

古代の食事法で整える現代人の美容と健康

活力を取り戻す食事とは、生命力に満ちた自然に近い状態の食品を指します。これは、有機的で人間の生理に合った食事であり、私たちの共通の祖先であるHomo sapiensが摂っていた多様な食生活に通じるものです。その食事は、主に狩猟や採集によって得られるもので構成されていました。

このような食生活の中心は、圧倒的に植物性食品であり、肉類や魚介類(狩猟や漁で得られるため入手が難しい)などのたんぱく質源、あるいは地域によってはナッツ類などの油脂類は少量にとどまっていました。

とはいえ、私たちは進化し、定住生活や農耕、牧畜の発展とともに、食習慣も大きく変化しました——それが必ずしも健康にとって良い方向だったとは限りません。

理想の「メニュー」

理想的には、まず週に1回だけ「祖先型食生活」に基づいた食事を実践し、次に週2回、というように段階的に増やしていきます。そうすることで、エネルギーが回復していくのを実感できるでしょう。

自身の身体、消化力、エネルギーの状態に耳を傾けながら、少しずつ自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。

この特定の、加工されていない有機的な食事は、次のように分類されます:

  • 80%:糖質主体のエネルギー源(筋肉の燃料)
    • 60%:さまざまな生の果物(ジュースやドライフルーツを含む)
    • 20%:生野菜(サラダ、ニンジン、アンディーブなど)
  • 20%:たんぱく質(細胞を構成するための材料)
    • 10%:動物性脂質およびたんぱく質(チーズ、卵などの動物性副産物)
    • 5%:植物性脂質およびたんぱく質(オイルシード、クルミ、ヘーゼルナッツ、アーモンドなど)
    • 5%:生のたんぱく質食品(例えばカキなど)

一部の人にとっては、生野菜や食物繊維の消化に時間がかかることもあります。そのような場合は、加熱した食品を取り入れるなど、例外的な対応が必要です。

段階的に取り組むことで、最終的には血色の良い健康的な肌、冬場の不調の軽減、そして活力に満ちた身体が手に入ります——試してみたくなりませんか?

アリカマン食品とは?疲労回復と美容に効く自然の栄養源

古代ギリシャ医学の父ヒポクラテスによる最も有名な医学書のひとつ『De Alimento(食に関して)』の中では、すでに「食べること」が健康に果たす役割について言及されています。実際に、心身のエネルギーを高めるために特に効果的な食材が存在します。これらは、活力を取り戻すために欠かせない微量栄養素を豊富に含んでおり、現代では「アリカマン(alicament)」という言葉で呼ばれるようになりました。

この用語は、これらの食材が健康やウェルビーイングに与える確かな効果を示すもので、特別なサプリメントのことではなく、誰もが手に入れられる自然な食品を指しています。

最も優秀な「アリカマン」たち

  • ニンジン
    生のニンジンには、ビタミンC、B1、B2、B6、さらに肝臓によってビタミンAに変換されるプロビタミンAが豊富に含まれています。自然の糖分によって「人間のエンジン」の燃料としても非常に有用です。
    食べても飲んでもOK!リバイタルケア中(1か月間)であれば、1日1〜2本のニンジン、または人参ジュースを1/2リットルが目安です。新鮮でオーガニックなものほど効果的です。
  • タマネギ
    リバイタル効果のある食材として、タマネギにはビタミンやミネラルのほか、神経組織の再生に不可欠なシリカ(ケイ素)が豊富に含まれています。
    ただし、消化が難しいと感じる方もおり、その場合は消化管を浄化するデトックスケアを数回行い、徐々にタマネギを再導入すると良いでしょう。多くの場合は、加熱調理をすることで消化がしやすくなります。
    1日1個の白タマネギを料理に取り入れること、できそうですか?それが、1か月のデトックスにおける理想的な量です。
  • アンズ(アプリコット)
    この果物は、生でも乾燥でも優れたエネルギー源です。特に含まれるマグネシウムは、ストレスや疲労に対する身体の抵抗力を高めるのに役立ちます。
    疲労とマグネシウム不足の関連性は広く知られており、Jean-Paul Curtay 医師や Anne-Laure Denans 氏をはじめとする多くの医療専門家が、マグネシウム不足が疲労の最大要因であると指摘しています。
    慢性的なストレス状態にあるとき、私たちの身体は必要以上にマグネシウムを消耗してしまうため、アプリコットに含まれる「有機的で吸収しやすいマグネシウム」を意識的に補給することが非常に重要です。
  • カシス
    ビタミンCは、最も優れた抗疲労ビタミンとされています。ありがたいことに、自然はここでも私たちを助けてくれます。カシス100グラムには最大200mgのビタミンCが含まれていることがあるのです。
    カシスの摂取は、疲労の軽減に役立ち、中枢神経系を強化し、活力をもたらします。ちなみに、もしカシスが手に入らない場合でも、ブルーベリーや赤スグリなどで代用が可能です。

スーパーフード:花粉

スーパーフードとは、先に紹介した「アリカマン」よりもさらに豊富な微量栄養素を含む自然食品のカテゴリーを指します。アリカマンより種類は少ないものの、確かに存在しており、それを可能にしてくれているのが——そう、「ミツバチ」です。

生の花粉は、代表的なスーパーフードとして知られています。

ご安心ください。多くの人がアレルギーを持つ「空中花粉」と、生の花粉とはまったく異なります。一部の方が生の花粉を摂取してお腹が張るなどの反応を示すことがありますが、その場合は摂取量を減らすことで対応できます。

ただし、ハチ由来の製品に対してアレルギーのある方は、別の食品を選ぶ必要があります。例えば、ダイコンやアルファルファといった発芽野菜、あるいは海藻などが代替となります。

花粉の優れた効能

花粉の持つエネルギー補給とリバイタル効果は実に顕著です。必須アミノ酸、単糖類、ビタミン(主にA、D、C、B群、E)、プロバイオティクス、プレバイオティクス、さらにマグネシウム、カルシウム、鉄、シリカなどの有機ミネラルが豊富に含まれています。

また、生の花粉には良質な腸内細菌が含まれており、消化器系の浄化にも役立ちます。さらに、マグネシウムとビタミンCの高い含有量により、神経系のバランス維持にも貢献します。

花粉(ポーレン)の購入と保存方法

生の花粉は、自然食品を扱う店舗の冷凍食品コーナーで購入することができます。1週間分の量は、小さな密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。食べる際は、冷蔵庫から出した直後の「生の状態」で摂取することが大切です。加熱すると、せっかくの栄養価が失われてしまいます。

3歳以上の子どもには、1か月のうち8日間、ティースプーン1杯分が目安です。大人の場合は、スープスプーン1杯分が適量とされています。

疲れを悪化させる生活習慣とは?美容と活力を奪う要因に注意

活力を高める食品やスーパーフードを取り入れると同時に、エネルギーを浪費させる要因を極力避けることが重要です。たとえば、アルコール、タバコ、コーヒー、都市の大気、夜更かし、騒音、長時間の移動、口論や対立などは、心身を著しく消耗させる「デヴィタライザー(活力低下因子)」です。

どうやって断ち切る?

言うは易し、行うは難し——とはいえ、可能な限り減らす努力をすることが肝心です。都市の空気など、自分ではどうにもならないものもありますが、例えば週末に森を歩くだけでも何もしないよりずっと良いでしょう。たとえゆっくり歩くだけでも、肺を使い、呼吸の質が向上します。

このようなエネルギー消耗要因を一気に断ち切る必要はありません。タバコやコーヒーのように、長年あなたを支えてきた「心身の杖」のような習慣は、徐々に減らしていくのが現実的です。

鍵となるのは、「意識すること」と「少しずつ取り除いていくこと」です。

呼吸の質を高める空気環境が美容と疲労回復を左右する

疲労を取り除くための最も効果的な方法のひとつは、身体を充電できる環境に身を置くことです。気づかないうちに、私たちの周囲の環境は、私たちを元気づけたり、刺激を与えたりしています。

なかでも毎日吸い込む空気は、活力の源に大きく関わっており、その「空間電気の質」が呼吸の質を左右します。

良い空気を「呼吸」することの重要性

空気中に含まれる電気的なイオン(陽イオンと陰イオン)のバランスは、私たちの細胞間における情報交換や代謝に大きな影響を与えるとされています。つまり、「呼吸している空気の質」が、活力や再生力の鍵を握っているのです。

マイナスイオンが多いほど、呼吸は心身にとって有益に

空気中のマイナスイオンが多ければ多いほど、それを吸い込むことで得られる心理的・生理的効果は高まります。興味深いことに、こうしたマイナスイオンは主に自然環境に存在しており、人間が作り出した人工的な環境では、逆にマイナスイオンが失われやすくなっています。これは、マイナスイオンの粒子がプラスイオンに比べて小さいためです。

良い空気を吸うには?

自宅の近くに緑地や川、滝などがある方は、ぜひ積極的に足を運んでください。これらはマイナスイオンの豊富な供給源であり、心身をリフレッシュさせる本物の「自然の充電スポット」と言えるでしょう。

もし都市部に住んでいて自然に触れる機会が少ない場合でも、たとえばスコットパイン(ヨーロッパアカマツ)の精油ディフューザーなどを使えば、室内に自然のような雰囲気を再現することが可能です。マイナスイオンに満ちた空間を意識的に選ぶことで、活力レベルは確実に高まります。

太陽光の力で活力アップ!ビタミンDと美容の深い関係

太陽は、世界中の伝統医学において「エネルギーの源」として位置づけられてきました。近年では、太陽光を浴びることによって生成されるビタミンDが、気分の安定にも大きく関与していることが明らかになっています。

空気の質と並び、太陽の光を浴びることもまた、活力を高めるために欠かせない要素です。

とはいえ、まるで「日光浴のために横たわるだけ」というような静的な過ごし方では、逆にエネルギーを消耗してしまうおそれがあります。

太陽の恩恵を正しく受けるには?

日光のもとでの「ウォーキング」は、太陽の熱と光の両方を得られるという点で、エネルギー補給に非常に有効です。皮膚の基底層は、動きを通じて太陽光を受け取り、ビタミンDの合成を開始します。

もちろん、紫外線に対しては必要な予防措置を取ることが大前提であることは言うまでもありません。

美容と睡眠の質を高める理想的な入浴法とは?

外側からの「水」の恩恵を取り上げずに活力について語ることは、まさに致命的な見落としと言えるでしょう。お湯でも冷水でもなく、ぬるま湯——これが理想です。ぬるめの入浴は神経系に最も恩恵をもたらすことが明らかになっています。

およそ37度の湯温は、母胎内の羊水を想起させ、深い安心感と心地よさをもたらします。この温度では、身体は体温調節のためのエネルギーを使う必要がなく、代謝を休めて再充電に集中することができるのです。

1日を終えるタイミングで、20分間のぬるま湯入浴や、やや長めのぬるま湯シャワーを取り入れてみてください。それだけで、神経系の回復が大きく促進されます。

毎日30分の軽い運動で心も体もエネルギーチャージ

1日30分の運動時間、あなたにはありますか?

…とはいえ、私たちはいつも「やらない理由」を見つけてしまいがちです。子どもの世話、買い物、家事、事務作業、そしてパソコンやスマートフォンに費やす時間——どれも立派な「言い訳」になってしまいます。

ですが、ほんの数分間の身体活動が、大きな変化をもたらすのです。例えば、心が過剰に働きすぎていると感じたら、窓を開けて、軽く筋力トレーニングやストレッチをしてみてください。きっとエネルギー面だけでなく、感情面にも良い変化が現れるはずです。

筋肉の収縮は、身体にとってまさに「燃料」。古代ギリシャの医師 Hippocrate(ヒポクラテス)は、自著『医学の技法』の中でこう述べています。「歩行こそ、人間にとって最高の薬である」と。

睡眠の質を高める夜のセルフケア習慣とは?

夜の睡眠時間は、身体の浄化と神経系の再充電に欠かせない時間帯です。胃の中が軽く、心が落ち着いた状態で眠りにつくことで、これらの機能が最大限に発揮されます。

心を鎮める方法としては、瞑想や穏やかな音楽、呼吸法、ペットとのふれあいのほか、Bachフラワーエッセンス、バレリアン、パッションフラワーといった植物療法も有効です。

これらの手段は、朝のモチベーションとエネルギーを取り戻すために、本当に大切な準備になります。

毎日の小さなセルフケアが美容と活力を育てる鍵

自然は、心地よくなるためのシンプルな解決策をたくさん与えてくれます。細胞の汚れを防ぎ、活力を再生させるために——。

多くの人が、その必要性を日々の生活の中で感じていることでしょう。だからこそ、明日、今日よりもう少しだけ自分の身体に意識を向けてあげてください。

Bon appétit, bon sport et bonne nuit !
—— しっかり食べて、心地よく動いて、ぐっすり眠りましょう。


ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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編集部(フランス)

Les Nouvelles Esthétiques編集部(パリ)…1952年にフランスで創刊されたLes Nouvelles Esthétiques社が発行する美容技術者や経営者向けの専門誌。本誌は、美容、健康、ウェルビーイングに関する情報を提供しており、世界20数か国にライセンスを供給するなど、国際的に展開する美容専門メディアとして広く認知されています。

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