【連載】エステ・理美容業界シェア争い激化(3)エステ・理美容業界シェア争い激化

2013.05.10

特集

編集部

ソシエワールドとシェイプアップハウス中国でエステ強化

ここへきてブライダルエステを標榜してエステの集客を取り込む動きが顕著になってきた。また、ブライダルエステを標榜する中でソシエワールドは、中国・上海を中心に2016年度までにエステサロン5店舗を出店し、中国でのエステ事業を強化する。

ブライダルエステは、結婚式を真じかに控えた女性をターゲットに「完璧な花嫁に仕上げる」を歌い文句にしてエステの顧客取り込みと集客アップを狙う新手の商法。
ここへきて多店舗展開する大手エステサロン事業者のほとんどがブライダルエステを標榜して顧客取り込みに乗り出している。各社いずれも結婚式が近い女性個客にカウンセリングを行い、肌の分析を行ってカルテを作成。料金別・施術別のコースを設定して肌分析に合ったエステを施し、化粧品などの物販を販売するというのが共通の手法。

こうしたブライダルエステを標榜する中で、エステの老舗ソシエワールド(未上場)は、今年5月、中国・上海に現地法人「上海ソシエ」を設立し、中国でのエステ展開に乗り出した。年内に1店舗を上海に開設し、2006年度までに5店舗を開設する計画。

同社が中国に進出したのは、国内のエステ需要が減退し過当競争が激化して成長が期待できないこと。同時に、台湾に進出して25年(店舗数18店)を迎え、台湾で培った日本式エステが経済成長を遂げる中国でも通用すると判断したことによる。
同社は、本部制を敷きエステ本部でスパ、リゾート型など7業態店でエステサロンを展開。ヘア本部で7業態のヘアサロンをスポーツ本部で女性専用の加圧トレーニングスタジオを展開している。

未公開企業であるため業績は、不透明明だ。2010年5月決算で186億円の売り上げベースから判断して直近の業績は、200億円前後にのぼると見られる。今後、中国でのエステ展開と合わせて株式の公開が注目される。
収益が伸び悩むエステ業界にあって今年4月で会社設立30年を迎えたエステの老舗シェイプアップハウスの業容拡大が注目される。

業容の拡大を象徴するものとして昨年4月、総工費6億円を投じて女性専用エステサロン「ミスパリ」と男性エステサロン「ダンディハウス」を複合した新業態店「ミスパリシャトー大宮」(総面積2100平方メートル、地上6階建て)を建設、オープンした。複合店の中には学校法人ミスパリ学園を併設し実践教育を進める。

中国市場でもエステ事業を強化する。2009年に香港と上海に開設したエステ店6店舗を2~3年後にも倍に引き上げる方針。将来、中国でのエステ展開を踏まえ日本式エステを全世界で展開する壮大な計画を実践する意向。

同社は現在、関連会社として国内にミスパリなど2社、中国現地法人6社、米国現地法人2社を持ちグループを形成。また、会社設立2年後の1986年に男性専用エステサロン「ダンディハウス」と女性専用エステサロン「エステティックミスパリ」の多店舗展開に乗り出し2エステ店中心に総店舗数は、115店舗にのぼる。2004年には、業界初の国際品質規格ISO9001、2000を取得するなど高い施術と顧客対応満足度を実現、リピート率の向上に繋げた。グループ全体の総売上高は、2012年9月期172億円にのぼる。今後、経営の効率化と株式の公開が注目される。

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