【連載】美容漢方~漢方の新たな市場を創出~【3】氣生薬局、独自の心理カウンセリングと漢方処方でお悩みを解決(上)

2016.12.14

特集

編集部

東京・新宿の繁華街に位置する氣生薬局(代表・久保田佳代氏)は、“人を診る”ことに徹底的にこだわった独自の漢方カウンセリングで定評がある。漢方薬剤師で心理カウンセラーの資格も持つ久保田氏は、患者の身体と心の叫びに耳を傾け、共感し、一緒に泣き、一緒に笑いながら接することで、患者との厚い信頼関係を築いている。

漢方相談歴は20年の豊富な実績がある。実家の長野県で開業していた頃から長年お付き合いのある患者も来店し、その患者の子供の代まで診るほど信頼は厚い。じっくりと人と向き合うという信念を持っているため、完全予約制で相談を受け付けている。そのため、弁証論治には十分な時間をかける。

「四診はもとより大切だが、臨床現場で重要なのは患者の話をどれだけ丁寧に聞くかだ。弁証論治の知識だけあっても不十分で、薬は最後の一押しのポンプ役。そこに辿り着くまでのプロセスでお悩みの症状の1/3は治っている」(久保田氏)とカウンセリング力の重要性を強調する。

「患者はみんなしゃべりたいし、人に話を聞いてもらいたいと思っている。そうすることで、肝の疏泄作用が改善して気の流れがスムーズになったり、あるいは肺の宣発粛降作用が良くなったりする」(久保田氏)といい、カウンセリングの中に五臓の機能の働きを良くする要素が含まれているという。

同店の客層は20~40代女性がメインで、不妊治療で訪れる人が多い。近年は働く女性が増えていることを背景に、身体の不調の原因はメンタル面が大きいと分析している。久保田氏によると、患者には「子供は授かるものという認識が薄い」「頭で考えすぎ」「自分への執着が強い」などといった共通点があるという。

不妊で悩む、ある30代後半の女性社長は「本来の自分の姿はどんなものだろうかと一緒になって考えた末、社長を辞めたらすぐ妊娠した」(久保田氏)というほどで、それだけ“気”は身体を支配している。店名を「氣生」(きお)としたのも、人間が“気”で生きていることを強調したいがためだ。

久保田氏のカウンセリングはユニークだ。相談業務に当たっていても、中には馬耳東風な患者もおり、そういう場合には怒らせたりすることで患者に強い記憶を植え付けさせる。また、疑心暗鬼な患者には、久保田氏自身の実体験を織り交ぜて話をしたりする。「患者のすべて(本質)を知りたいというこちら側の意向に応えてもらう」(久保田氏)ために、あの手この手で患者の懐に入っていく。「最終的に患者には元気になってもらいたいだけ。そのための手段にすぎない」(同氏)といい、心理カウンセラーとしての矜持を見せる。※(下)に続く

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