【連載】大手化粧品会社の研究㊳天真堂の会社研究 ~今秋メドに小ロット対応自社工場を稼働、合従連衡で新製品開発強化~(上)

2018.07.18

特集

編集部

株式会社天真堂(東京都江東区、未公開)は、薬用化粧品のOEM事業を軸に通販・電子商取引(EC)の総合支援事業を展開している。

医薬部外品の商品開発では、製造や書類申請などの期間を全て含めて少なくとも1年はかかる。
そうした中、同社は、医薬部外品の承認を得た処方を持っており、医薬部外品として完成されている製品を提供できるので、クライアントにとって開発費の負担も少なく最低ロットからテスト販売ができるメリットがある。

同社は、薬用化粧品のストック処方「ソヴェールシリーズ」を中心とした化粧品OEM事業を展開。単品リピート通販に必要な機能を総合的に請け負うワンストップ支援に特化したOEMに強みを持つ。

事業展開する中で、デザインを変えても同じ中身では商品が同質化する。このため、テスト販売をして商品の売上げがある程度の規模になってきたタイミングで商品をリニューアル化する。新たなオリジナル処方へと切り替えることで、同社の医薬部外品OEMのビジネスモデルとなっている。

ここへきて同社は、クライアントのサポート体制をより充実させるため、今秋めどに小ロット対応の自社工場を稼働させる計画。
自社工場の稼働は、これまで研究開発やワンストップ総合支援事業に専念するためファブレスで委託先を通じて製品を提供してきた。しかし、顧客の商品をスピーディーに立ち上げるため、クライアント企業のテストマーケティング用小ロット生産に限定して自社工場で生産し、短納期化を図ることにした。今秋までにM&Aで小ロット対応工場を買収し稼働する方針。

同社では、クライアントの通販ビジネスを成功させるために通販で必要な全てをワンストップで提供しており、直近ではWMS(倉庫管理システム)の開発会社と業務提携し、自社ロジスティクスのWMSリニューアルを進めている。また、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)とAI(Appreciative Inquiry=人工知能)の技術を搭載した化粧容器の開発にも力を入れて取り組むなど外部企業との合従連衡によるオープンイノベーション(自社だけでなく他社や大学等が持つ技術やアイデア、ノウハウなどを組み合わせて革新的なビジネスモデル、研究成果、製品開発等を行うこと)をこれまで以上に積極化している。

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