カネボウ化粧品の”白斑”肌トラブル問合せ16万人、2,250人に症状

最新商品

2013.07.23

編集部

薬用化粧品による肌の”白斑”発症トラブルで、製造販売したカネボウ化粧品ら3社は7月4日以降自主回収を行っていたが7月23日、回収状況及び白斑の発生件数について最新状況を消費者庁に報告した。同社によると、7月19日現在で、「お客様窓口」(専用フリーダイヤル)には10万5千人、店頭に約6万人から問い合わせがあった。うち、「白斑症状」を含む不安の声は6,808人から寄せられ、実際に「3箇所以上の白斑」「5cm以上の白斑」「顔に明らかな白斑」のいずれかの症状を申告した人が2,250人いた。

商品の回収状況は、7月19日までに、消費者164,334人から約36万個(回収率80.0%/推定在庫45万個)、取引店13,831店から約50.3万個(回収率86.8%/同58万個)の合計約86.3万個(当該製品の累計出荷数:約436万個)を回収した。7月4日に公表された回収対象製品は、個別製品 54 品目だったが、現在は、該当する製品を含む限定セット、トライアルセットを追加した 71 品目を対象としている。

同社は、夏坂真澄・代表取締役社長執行役員を本部長とする対策本部を設置。「当該製品を使用して白斑様症状を発症したお客様には、完治するまで責任をもって対応する」という基本方針を掲げ、症状申し出者宅を訪問して治療相談にあたっているそうで、7月19日までに3,181人を訪問した。今後は、美容部門が中心となり、全国各地に専任担当者を配置して、治療についての相談、肌状態の確認、メイクアドバイスなどの継続的なフォローを行っていくという。

白斑発症トラブルでは、カネボウ化粧品、株式会社リサージ及び株式会社エキップが製造販売する薬用化粧品のうち、「医薬部外品有効成分 ロドデノール」の配合された製品を使用した消費者から、「肌が白く斑になる」という危害報告があったことを受け、消費者庁が7月4日に使用中止を呼び掛け、同日から事業者による自主回収が開始されていた。

ロドデノールは、製品には成分名として、4-(4-ヒドロキシフェニル)-4ブタノールと記載されている。同成分によってメラニン色素の生成が抑制され、肌が白くなるとされている。カネボウ化粧品は、ロドデノールを有効成分として配合した製品について、しみ、そばかすを防ぐ効果を有する医薬部外品として、平成 20 年に厚生労働省の承認を取得していた。

※画像(カネボウ化粧品提供)は、白斑の主な発症部位。首に発症しているケースが最も多い。

薬用化粧品による白斑発祥トラブル

消費者庁の事故情報データバンクには、「2年前に使い始めてから、顔の左の頬と左の目のふちと首が白く色が抜けた」「3年前から使用。平成 24 年5月頃から、顔、首や手等の使用箇所に水ほうのようなぶつぶつと、色が白く抜けその周りが赤く縁取りかゆみを伴うものが現れた。また、顔が赤く腫れあがりかゆみも発生した」などの報告が寄せられており、同庁では引き続き使用中止を呼びかけている。

 

#

↑