資生堂、シミの肌内部における血管構造異常の3D可視化に成功
2018.08.16
編集部
株式会社資生堂(東京都中央区)はこのほど、皮膚組織を透明化する技術を応用し、シミ部位における毛細血管の状態を精細な3D画像にて可視化することに成功した。
これは、慢性的に紫外線にあたることによって発生するシミ(日光性色素斑)の部分の真皮上層では異常な毛細血管のネットワークが存在するという、2017年9月に資生堂が発表した新知見を裏付けるもの。
今回の研究により、シミ部位の血管は近傍の正常部位に比べ、不規則な配向を示していること、また血管の分岐が非常に多いことを見出した。また、マクロファージについても同時に解析したところ、分岐の多い血管周辺にはマクロファージが多数集まってきていることを見出した。つまり、シミ部位の血管構造の異常と炎症との関連を示すことに成功した。
今回発見したシミ部位の異常な毛細血管ネットワークが、シミ形成に大きな影響を及ぼしていると考えられることから、資生堂では今回の研究成果をもとにスキンケアの価値創出に向けた研究を進めていくとしている。
今回の研究は韓国アジュ大学と共同で実施。資生堂およびアジュ大学のヒト試験倫理審議会の承認のもとに行われた。
研究成果については、2018年8月開催の第36回日本美容皮膚科学会総会・学術大会にて発表し、優秀演題に選ばれた。
- 参考リンク
- 株式会社資生堂