幼児期における抗菌薬と胃酸抑制薬の投与は将来の肥満に関連すると結論した論文が10月30日、「Gut」オンラインに掲載された。

抗菌薬や胃酸抑制剤などの服用は腸内微生物叢に影響を与える。この腸内微生物叢の変化は肥満に関連することが分かってきているため、今回、幼児期に投与された抗菌薬、ヒスタミンH2受容体拮抗薬（H2RA）、プロトンポンプ阻害薬（PPI）と肥満との関連を調査した。

合衆国国防総省TRICARE受益者コホートのデータから33万3353人の乳幼児を調査対象とした。うち2歳までに、24万1502人（72.4%）が抗菌薬、3万9488人（11.8%）がH2RA、11 089人（3.3%）がPPIを処方されていた。抗菌薬は肥満に関連しており、この関連性は、抗菌薬のクラスに関係なく存続し、処方された抗菌薬のクラスが増えるごとに強くなった。H2RAおよびPPIも肥満と関連していた。研究者らは、幼児期に投与された微生物叢を変化させる可能性がある抗菌薬や胃酸抑制剤は、体重増加に影響を与える可能性があるとしている。なお、TRICAREは、米軍の現役兵士、州兵および予備役兵、退役軍人の健康管理および医療サービスを指す造語で、米国国防厚生管理本部（TRICARE Management Activity）により管理運営されている。